ツイート

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑PAGE TOP

NECとマクロミル、生活者データ利活用領域で企業向けマーケティングソリューションの共同開発開始

2018.6.12

日本電気株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 執行役員社長 兼CEO:新野 隆、以下NEC)と株式会社マクロミル(本社:東京都港区、代表執行役 グローバルCEO:スコット・アーンスト、以下マクロミル)は、生活者データの利活用領域における協業を2018年4月から開始しました。


最先端AI技術群「NEC the WISE」(注1)を展開するNECと90カ国9,000万人以上のパネルネットワークを有するマクロミルの両社が提携し、より広く・深く消費者インサイトを捉えることで、先進的な企業向けマーケティングソリューションの共同開発を行います。

なお、両社は2019年のサービス開始に向けて、1.NECのAI技術「顧客プロフィール推定技術」(注2)を活用した生活者データの不足項目の補完・拡充、2.マクロミルの実施する会場調査にNECの「遠隔視線推定技術」(注3)を用いて、目に留まったポイントや視聴滞留時間などを可視化し、生活者のよりホンネに近い選好傾向の分析、の2点について、4月から実証実験を行っています。

両社は生活者起点のデータを活用することにより、企業のマーケティング活動の精緻化を支援し、生活者が個々人にフィットした価値や豊かさを追求・享受できる社会の実現に貢献していきます。

NEC マクロミル

協業の背景

昨今、ライフスタイルが多様化する中、マーケティングリサーチにおいて生活者ニーズのより深い把握が課題となっています。リサーチでは、生活者の消費傾向や価値観に関するデータ収集と活用がその鍵となり、各企業がアンケート結果などの意識データや様々な行動データを基に取り組んでいるものの、これらは生活のごく一側面であり、生活者個人を起点にした連続する活動をトータルに捉えられていません。

マクロミルはリアルとサイバーそれぞれの領域で、業界をまたいだ生活者起点のデータを広く収集・分析し、より深い消費者インサイトを捉えることでお客様のマーケティング課題解決に貢献してきました。

一方NECは、長年にわたりAIの研究・開発に取り組み、世界No.1(注4)の精度を誇る「顔認証技術」や、データ分析プロセス全体を自動化・簡易化する「dotData – 予測分析自動化」(注5)などの最先端AI技術群「NEC the WISE」により社会やビジネスのニーズに応えてきました。

今回、マクロミルが持つ多様なデータとNECの技術を用いて協業し、より深く消費傾向や価値観を反映したマーケティング活動に役立つデータ/分析価値を企業へ提供することで、生活者一人ひとりにとっての豊かさを追求・享受できる社会の実現を目指します。

開発するマーケティングソリューションの概要

1. AIによる生活者データの不足項目を補完・拡充
マクロミルが独自に収集した生活者データに対し、NECの「顧客プロフィール推定技術」を活用することにより、生活者の詳細プロフィールや購買情報などの実績データを補完・拡充します。データソースを推定拡張することで、顧客企業のより精緻なマーケティング活動への貢献を目指します。

2. 消費者調査を高度化し、よりホンネに近い選好傾向を分析
マクロミルが行う会場調査(CLT、Central Location Test、注6)に、モニター(調査対象者)の視線方向を高精度に検知できる「遠隔視線推定技術」などのNECのセンシング技術を用いることで、アンケートで得られる意識データだけでは分からないモニターのホンネに近い選好傾向を分析します。さらにマクロミルの脳波データ分析技術(注7)を用いてモニターの主観に基づいた意識データと実態に基づいたデータを組み合わせて分析することで、より深い生活者ニーズの理解を目指します。

3. 多様なデータと最先端の分析技術による、マーケティング活動の高度化
マクロミルが保有する豊富な生活者データを、NECの「dotData – 予測分析自動化」を用いて、企業のマーケティング活動における高度なサポートの検討を行います。マーケティング用に整備されたデータを一定規模保有する企業だけでなく、保有しない企業へも高精度なデータ分析を行い、自社データだけでは想像もしなかった結果から、より効果的な活動を可能とするサポートの提供を目指します。

本協業と実証実験で得られた成果を両社の既存事業の強化に繋げると共に、マクロミルの持つ豊富なデータ群、NECの技術力を活かし、両社で新たな生活者データ利活用事業の開発を進めます。

(注1)
「NEC the WISE」(エヌイーシーザワイズ)は、NECの最先端AI技術群の名称です。”The WISE”には「賢者たち」という意味があり、複雑化・高度化する社会課題に対し、人とAIが協調しながら高度な叡智で解決していくという想いを込めています。
・NEC、AI(人工知能)技術ブランド「NEC the WISE」を策定

http://jpn.nec.com/press/201607/20160719_01.html

・NECのAI技術

https://jpn.nec.com/ai/

(注2) 顧客プロフィール推定技術:
NEC独自の関係マイニング技術に基づき、基本プロフィールと購買履歴から、顧客一人ひとりの詳細なプロフィールを、高精度かつ全自動で推定する技術。これにより、刻々と変化するライフスタイルへの対応や、見逃していた”個”の真のニーズの素早い発見・施策立案が可能。
参考URL:http://jpn.nec.com/press/201609/20160902_02.html
(注3) 遠隔視線推定技術:
離れた場所から視線の方向をリアルタイムかつ高精度に検知する技術。
参考URL:https://jpn.nec.com/physicalsecurity/technology/gaze_technology.html
(注4) プレスリリース「NEC、米国国立標準技術研究所(NIST)の顔認証技術ベンチマークテストで4回連続の第1位評価を獲得」(2017年3月16日)

http://jpn.nec.com/press/201703/20170316_01.html

(注5) dotData – 予測分析自動化:
プレスリリース「AIでデータサイエンスの常識を変える NEC、データ分析プロセスを自動化する新会社を米国に設立」(2018年4月26日)

https://jpn.nec.com/press/201804/20180426_01.html

※日本国内においては、NECがdotData, Inc.から本ソフトウェアの独占販売権を取得し提供予定
dotDataご紹介ページ

https://jpn.nec.com/solution/dotdata/

(注6) CLT (Central Location Test):
Central Location Testの略。会場に調査対象者を呼んで行うテスト。会場調査。
(注7) 脳波データ分析技術:
ニューロリサーチと呼ばれる、脳波などの神経活動反応を調査し評価する手法。
アンケートやインタビューによる主観評価に加え、消費者が商品を見ている時の脳波・心拍・視線の動きなどの生体反応をリアルタイムに計測する実験を行い、その変化からターゲットが自分では意識していない領域まで含む深いインサイトを浮き彫りにしていきます。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加