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Fringe81、統計物理学によるオンライン広告予算の最適配分サービスを開始

2013.8.2

デジタル広告テクノロジー開発/コンサルティングのリーディング・カンパニー、Fringe81株式会社[社名よみ仮名:フリンジ ハチイチ](本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:田中 弦)は、コスト効率をWeb広告全体で最適化する、統計物理学に基づく予算配分アルゴリズムを用いた 『ボルツマンウェイト分析 広告予算 最適配分サービス』 を本日より開始します。

オンライン広告では、「ディスプレイ広告」と「検索連動型広告」などの広告手法別にコスト効率を最適化していましたが、今回Fringe81は、全広告手法を縦断して評価するアルゴリズムを開発し、広告主企業に対しコスト効率の「見える化」を図り、パフォーマンスを大幅に改善しました。

【 開発の背景 】

Webマーケティング業界では、オンライン上のユーザーのふるまいを詳細に分析してパフォーマンスの改善をはかります。ユーザーは、Web上で関連記事を読んだり、バナーを見たり、検索してみたり、多様な行動の結果、コンバージョン(商品の購入、資料請求、会員登録など)に至りますが、今まではその関係性にまで踏み込んだ予算配分は一般的には行われていませんでした。

近年、広告効果測定ツールの進化により、ユーザーの購買行動に至るプロセスが可視化されてきました。たとえばユーザーが、「ディスプレイ広告で認知し、その後検索して詳細情報を調べる」という行動をとる等の行動も見えてきました。
現在行われている一般的なWebマーケティング改善手法では、検索連動広告とディスプレイ広告の獲得見込みユーザーそれぞれに対し、前期予算や経験値、当月目標から予算を算出し個別で効果改善を図ります。しかし個別分析でディスプレイ広告の成果が上がらないとして予算を下げた結果、検索連動型広告のパフォーマンスが落ちたという経験をしたクライアント企業から、広告手法を横断し、オンライン広告に関係する要素全体で効果や施策を検討できないかと相談が寄せられていました。

こうした課題に対し、Fringe81は、オンライン上でユーザーがとる行動が、原子や分子のように確率的に動いている粒子の状態と似通った点が多く、統計物理学の理論で記述可能であることに着目しました。数回にわたるプロトタイプ作成と検討の結果、自然現象をシミュレーションできるボルツマンウェイト(注1)を導入することで、「検索連動広告」と「ディスプレイ広告」を縦断して分析/グラフ化した予算配分シミュレーション手法を確立しました。既に、このシミュレーションによるデータは予算配分に利用されて、パフォーマンス向上を実現しています。

【 『ボルツマンウェイト分析 広告予算 最適配分サービス』 概要 】

現状のデジタルマーケティングの現場では、広告媒体ごとにインプレッション(imp)、クリック(CL)、クリックスルーレート(CTR)、コンバージョン(CV)のような指標を少しでもその数字が良くなるよう調整していましたが、実際広告(媒体)間の効果は、サッカーで例えるとパス⇒ドリブル⇒シュートのように連携していながら、シュートのアシストにあたるバナー等は評価されていませんでした。こうした関連性を考慮して、媒体毎に評価するのでは無く、「ゴールが決まりやすい連携をしている媒体、コンテンツ、広告の組み合わせ」を分析し判断できるようになるのが、ボルツマンウェイト分析です。

【 予算配分アルゴリズム詳細 】

本分析にあたり利用したデータは、「ディスプレイ広告」の出稿媒体別の出稿結果及びコスト、「検索連動型広告」のキーワード別の出稿結果及びコスト、「ディスプレイ広告」から発生した検索流入データです。これらのデータソースに対し、ボルツマンウェイトを採用した分析を行い、さらにその分析結果にバブルチャートなどに使われる二次元マトリクス分析(注2)を実施した結果を使用し、プログラム/アルゴリズム化を行いました。
この開発は素粒子論で博士号を持つ当社社員、佐野正和が開発に携わりました。本分析を元にした予算配分を実施したクライアント企業では、出稿額に対する改善が既に10%に達しています。サービスの提供にあたってもアトリビューション分析(注3)を熟知したスタッフが支援するため、クライアント企業がスピーディに意思決定ができる仕組みが確立されています。

本アルゴリズムでの分析を実行するにあたっては、当社の第三者配信サービス「digitalice(デジタリス)」を使用しました。digitaliceはディスプレイ広告閲覧から発生している検索連動型広告を経由したサイト流入と自然検索を経由したサイト流入を、別途ツールが無くとも計測を行う事ができます。

Fringe81は、今後も顧客企業やユーザーに対して、「新しい発見を提供し物事の見方を変える」という企業理念のもと、最先端のマーケティングテクノロジーとコンサルティングによる、最高の経験価値を提供してまいります。

以上


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