SuperShip、生成AIを活用した広告クリエイティブ生成システムを開発 KDDIでβ版テストを完了
KDDIグループのSupershipは、KDDI、Recursiveと共に、生成AIを活用した広告クリエイティブ生成システムを開発し、KDDIで本システムのβ版テストを完了したことを発表しました。
本システムは、KDDIが定めるブランドガイドラインや、auブランドを感じていただくための表現手法を定義した「au VISUAL IDENTITY」に遵守した広告クリエイティブ(バナー画像)を半自動で生成した後、過去の広告配信実績に基づき、広告効果の高いクリエイティブを自動で選別することができるシステムです。このたび、本システムのβ版をKDDIのデジタルマーケティングおよび広告業務に試験導入することで、関連業務の工数を50%削減できることを確認しました。
本システム概要
・利用者がバナーサイズやブランド種別などの条件を入力し、バナーに使用する素材画像をプロンプト入力すると、本システムがブランド毎のガイドラインを遵守した画像を自動的に出力します。
・本システムは、KPI予測モデルにより選別された良質なバナー画像を複数出力し、利用者はその中からバナー画像を選択することができます。
■KDDIでのβ版テスト概要
1.ブランドイメージに合致した画像生成
・本システムでは、画像生成プロンプトの入力後に「au VISUAL IDENTITY」の写真規定で定義された4つの付加価値(CLEAN、FRIENDLY、PLAYFUL、ADVANCED)のいずれかを選択するだけで、自動的に生成画像に反映が可能です。
・クリエイティブ制作においてさまざまな制約条件を考慮した判断が必要なポイントを削減することでデザイン考案時間を大幅に短縮します。これにより、ブランド管理に詳しくない担当者でも原則に沿ったクリエイティブを制作することが可能となり、業務工数の削減と成果物の品質管理を両立できることを確認しました。
2.実績に基づくデータドリブンな評価
・本システムでは、過去の広告配信実績データ(ファーストパーティデータ)を基に生成されたバナーの広告効果(CTR(注3))を媒体毎に予測するモデルを搭載し、数十種のクリエイティブ案から自動で良質なクリエイティブ案を選別して利用者に提示することが可能です。
・これにより担当者の業務習熟度にかかわらず均質的で精度の高い判断が可能となり、データに基づく業務平準化を実現することを確認しました。

3.業務工数削減効果
KDDIでは本システムのβ版をテスト導入することにより、以下の業務削減効果を確認しました。
<工数削減効果>
対象業務 | 削減効果 |
---|---|
デザイン考案(平面構成、フォント選定、画像選定など) | 60%減 |
ラフ作成(背景作成、色彩決め、フォントと画像の配置・サイズ調整など) | 60%減 |
仕上げ(シャドウなどのエフェクト、画像のレタッチなど) | 20%減 |
■今後の予定
ブランド管理業務の属人化の解消と効率化/平準化は、オンライン広告を出稿する全ての法人において共通する課題であると捉えています。
KDDIグループは、将来的に本システムを法人のお客さまに提供し、各企業のブランド戦略に応じた広告クリエイティブ生成を効率化するサービスの提供を視野に入れて検討しています。ファーストパーティデータをKDDIグループのデータ利活用技術で最大限活用することで、デジタルマーケティングおよびクリエイティブ管理業務の効率化と高度化に貢献することをめざします。