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DAC、購買ファネルを可視化するフレームワーク「FAIV」を開発・特許取得

2017.4.19

ファネル階層別のデジタル広告配信と、潜在層における広告効果「Hot Index」の把握を実現

D.A.コンソーシアムホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:矢嶋弘毅、東証二部 証券コード:6534、以下 DACHD)とデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長COO:島田雅也、以下 DAC)は、Web行動ログをもとに購買ファネル構造(以下、ファネル構造)を可視化し、また階層ごとのWeb閲覧傾向や広告効果を特定するフレームワーク「FAIV」(Framework for Audience Intent Visualization)を独自に開発しました。本技術に関連し、特許を取得しましたのでお知らせいたします。

「FAIV」開発の背景

インターネットユーザーは、商品購入や資料請求などに至る行動(コンバージョン)に関して目に見えないインテント(意図、目的、意欲など)を有し、そのインテントに応じたファネル階層(認知、興味・関心、購入検討および購入直前など)に属していると考えられます。広告主の視点としては、配信した広告の価値を正しく評価し、また、そのうえで広告の内容量などの広告の構成を最適化する点が重要です。一方、一般的に用いられている CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)などの指標はファネルの深い階層、すなわちコンバージョンに近い層における広告効果を把握することに重点が置かれており、興味・関心が高まっていない、つまりファネルの浅い階層における広告効果は充分に把握できていないという課題があります。

この課題を解決するためにはブランド毎のファネル構造を可視化し、各ユーザーがどの階層に属するかを特定したうえで、広告接触者がどの階層からどの階層に変化したのかを把握する必要があります。ファネル構造を可視化するためにアンケート調査などの方法がありますが、今回DACHDおよびDACでは、アンケートではなくDMP「AudienceOne®」(※1)に蓄積されているWeb行動ログからファネル構造を可視化し、また各ユーザーがファネルのどの階層に属しているかを推定する技術を開発し、特許を取得いたしました。

概要

まず、広告主やブランド毎に固有のファネル構造を可視化するために、コンバージョンユーザーの行動ログを過去に遡って分析します。次に、過去から時系列にコンバージョンに近づくにつれて、どのようにWeb閲覧傾向が変化しているか、各層に特徴的な行動を自動的に抽出し、モデル化します。
これによって、例えば生命保険においてファネルの深い層の手前でライフステージの変化が窺えるようなWeb行動が見られたり、それより一段階浅い層ではビジネス情報や投資情報などを日常的に見ている、などの特徴が可視化されます。このようなモデルを用いて未購入の顧客(または未リーチのインターネットユーザー)の現在の階層を把握することで、態度変容を促すための最適なアプローチをとることが可能となります。

図:本モデルの構造について

<特許の概要>

特許権者 :デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
特許名称 :情報処理装置及び情報処理方法
登録番号 :特許第5965046号
発明者 :那須川進一、銭騁、薩摩定壮

当技術を活用したサービス展開について

●「Hot Index」による広告効果の可視化
特定の広告に接触したユーザーと接触していないユーザーでファネル遷移率を計測し、比較することで、広告の全体的な効果を可視化できます。
DACではこの遷移率の差(リフト)を「Hot Index」として指標化することにより、コンバージョンには至っていないがファネルの階層は深まった≒認知度、興味度などが高まったことを把握することが容易になります。「Hot Index」は、短期的なコンバージョン獲得だけでなく中長期のマーケティング戦略を考えるうえで重要な指標として活用することができます。

●広告配信への活用
当技術によるモデルを用いて未購入のユーザーや、未リーチのインターネットユーザーがファネルのどの階層にいるかを推定・スコアリングします。当スコアを活用することで、各階層に向けてそれぞれ訴求メッセージを最適化、あるいは特定の階層に向けて広告を配信することができ、前述の指標「Hot Index」を最大化する運用が可能となります。

●「XmediaOne」へのシステム実装
当技術は、次世代プランニングシステム「XmediaOne」(※2)に2017年度早々に搭載することを予定しております。

DACにおけるビッグデータ活用の取り組みについて

DACは、データを活用した自社商品開発や外部パートナーとのアライアンスなどビッグデータの取り組みを推進しています。DACが独自に開発したDMP 「AudienceOne®」は、外部パートナーアライアンスを積極的に推進し、30以上の広告配信およびデジタルマーケティング製品との連携を実現してきました。また、製品連携にとどまらず、外部パートナーとのデータ連携やデータ解析共同研究なども積極的に行っており、解析技術を軸とした新たなサービス開発も進めてまいります。
DACは今後も、広告主企業と生活者が円滑なコミュニケーションを実施できる環境を整えるべく、ビッグデータを活用したソリューション開発・強化に積極的に取り組んでまいります。


(※1)DMP「AudienceOne®」は、広告配信結果、ソーシャルメディア、提携企業の3rd Partyデータなどを収集・解析し、見込顧客の発見や既存顧客のロイヤルカスタマー化などの様々なマーケティング施策に活用できるDMPとして、4.8億ユニークブラウザ、1兆レコードを超える国内最大級のデータ量を保有しています。
(※2)「XmediaOne」についてはDACのリリースをご覧ください。
2016年5月25日「『ハイブリッドプランニングに対応する統合メディアプランニング支援システム「XmediaOne」を開発』
http://www.dac.co.jp/press/2016/20160525_xmediaone


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