DoubleClick for Publishers First Lookとは
Googleは、DoubleClick for Publishers(DFP)の新機能としてDoubleClick for Publishers First Lookをリリースした。同機能は、昨年の12月にβ版がリリースされ、一部の媒体社でテスト的に運用をされていたが、今回一般に開放される形となった。
DoubleClick for Publishers First Lookの目的は、メディア訪問ユーザの体験を損ねることなるメディアの広告収入を最大化することにある。
これまで多くのメディアは、広告収入を最大化するためにアドサーバーからSSPを呼び、さらにそのSSPから別のSSPを呼びというウォーターフォール式にしていた。ウォーターフォール式の問題は、SSPの単価を同時に競わせることができないため、後ろにつづいているSSPの単価が前のSSPよりも高い場合であっても、前に呼ばれているSSPが約定している場合、呼び出されることがなく、機会損失になる点や、多くのSSPを呼び出すことで表示速度が遅延し、メディア訪問ユーザの体験を損ねるところにあった。
ウォーターフォール式の解決策として、昨年からヘッダー入札への注目が高まっている。しかし、ヘッダー入札はウォーターフォール式でおこる機会損失を防ぐことができたとしても、クライアントサイドでの処理は変わらないため、表示の遅延によるメディア訪問ユーザの体験を損ねる懸念は拭えずにいた。
そこで今回発表されたDoubleClick for Publishers First Lookは、
1.様々なSSPやエクスチェンジの入札価格を同時に競わせて最も高い単価のものを自動採用する(ダイナミックアロケーション)
2.ダイナミックアロケーションをサーバーサイドの繋ぎ込みで行うことでクライアント側の処理の負担を下げ、ユーザ体験を向上させる。
という2つの目的を達成させるための新機能となる。
これらの目的が真に達成されているものであれば、媒体社にとって非常に大きな利益となるため注目が高まっている。
しかし、運用実績の少なさや、連携しているプラットフォームが少ないなど懸念点もまだ多いため、普及にはまだ時間がかかる可能性はある。