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博報堂DYホールディングス、中期経営計画の進捗状況を発表

博報堂DYHD

博報堂DYホールディングスは、中期経営計画の進捗状況について決算説明会の中で発表を行いました。

数値目標は取り下げ済み

博報堂DYホールディングスは、2024年3月期を最終年度とするご覧の中期経営計画に則り、各種取り組みを進めています。ただ、2021年3月期上期の決算発表時に、コロナ禍の影響を受け、同計画の前提としていた経済および広告市場の見方に大きな変動が生じたことを理由に、数値目標を取り下げる旨、発表しています。そのため、今回は取り組み自体の進捗の発表となりました。

のれん償却前営業利益について

投資事業の影響を除外した「調整後のれん償却前営業利益」は、計画初年度、M&Aに加え、人材、データ/システム基盤構築等への積極的な戦略投資を行い、横ばいでスタートしました。

計画2年目に入ってからは、緊急事態宣言が発出され、コロナ禍の影響により経済活動が急激に冷え込むなど、同社グループの業績へのマイナス影響も大きなものとなり、485億円の黒字を確保しつつも、減益での着地となりました。

損益環境の急速な悪化を受け、緊急避難的なコスト圧縮施策を実行に移すとともに、中長期的なコスト構造改革に向けた検討にも着手しました。
また、生活者の行動、生活様式が変化し、得意先ニーズの変化も加速しており、「マーケティングDX」「メディアDX」の2つの視点から、提供サービスの変革も進めております。

「マーケティングDX」と「メディアDX」

まず、マーケティングDXについてです。
コロナ禍にともなう外出自粛や接触回避の流れもあり、オールデジタル化は加速しています。そのような中で、生活者と企業は、オウンドメディアやアプリなどを通じて直接的につながる機会が増えており、それら直接接点での対応や、新しい環境に順応した形へ企業のマーケティング活動を変革する、いわゆるマーケティングDXニーズが高まっています。このような、CRM・EC/D2C・オウンドメディア・店舗等の領域におけるDXニーズに対応すべく、新たなソリューション開発や体制整備を行いました。

次に、メディア領域についてです。
昨年、広告メディアビジネスの次世代型モデル「AaaS」を発表し、 広告メディアの新たな統合運用サービスの提供を開始しました。
デジタルテクノロジーの進展により、生活者の情報接触は、様々なメディア・デバイス・プラットフォームを通じて多様化しており、しかも常時接続化が進んでいます。
そのため、企業のマーケティングコミュニケーション施策も、多様なメディアやプラットフォームを横断した、より高い効果が期待されるようになってきています。AaaSは、「広告枠の取引」によるビジネスから、「広告効果の最大化」によるビジネスへの転換を見据えた、広告メディアビジネスの次世代型モデルであり、このAaaSモデルを前提とした、広告メディアの統合運用サービスの提供により、メディア効果を最大化し、企業の事業成長に貢献することを目指します。

戦略組織「博報堂DXユナイテッド」について

企業のデジタルトランスフォーメーションを、マーケティングDXとメディアDXの両輪で、統合的に推進する戦略組織「博報堂DXユナイテッド」を発足しました。
博報堂、博報堂DYメディアパートナーズ、DACが有する8つの専門機能と、各領域の約700名のスペシャリストを結集した、3社横断の戦略組織であり、効率化/コストダウン視点に留まらず、“潜在需要を発掘し、生活者の新たな好意・行動を喚起し、よりよい生活、社会を創り出す”、価値創造型のDXを推進していきます。

のれん償却前営業利益以外の指標

調整後売上総利益は、主戦場である国内広告市場が、二桁の落ち込みとなる中、前年比5%程度の減少に留めることができました。

上期の厳しい時期からの積極的な提案活動が実を結び、下期に入って、テレビスポットやデジタルメディア、デジタル制作種目の売上高を前年を上回る水準まで引き上げられたこと、加えて、売上総利益率向上の取り組みも引き続き継続していることなどが主な要因となります。

調整後のれん償却前オペレーティング・マージンは、緊急避難的なコスト圧縮施策の効果もあり、15%以上の水準をキープし、のれん償却前ROEは二桁以上の水準を維持するなど、厳しい環境下においても、一定の水準を維持しております。

博報堂 中期経営計画

広義デジタル領域でのリーディングポジションの確立に向けて

同領域の進捗を示す一つの指標であるインターネットメディア売上髙については、同社グループが強みを持つ業種においてコロナ禍の影響が大きく出たこともあり、上期は二桁のマイナス成長となりましたが、下期に入って復調し、第4四半期には前年比+7%程度のプラス成長に転じております。
特に博報堂を中心とした総合広告会社群で、下期は二桁成長となるなど強い伸びとなっており、インターネット専業広告会社に対応する次世代型デジタルエージェンシー機能を担うアイレップも、下期はプラスに転じています。

ボーダレス化する企業活動への対応力強化

海外事業の売上総利益は、コロナ禍の影響により、第2四半期は二桁減となりましたが、その後、M&Aによる押上げもあり、第4四半期には前年を上回る水準まで回復しました。

特に中華圏は、早期に新型コロナウイルスの感染が抑制されたため、相対的に回復の速度が速く、M&Aの押上げを除いたオーガニックベースでも通期で前年を上回っております。

また、コロナ禍に伴うこの急激な売上総利益の減少に対して、いち早くコスト面での対策を進めることで、海外事業全体ののれん償却前営業利益は、40億円強の黒字で着地することができました。

外部連携によるイノベーションの加速

「UNIVERSITY of CREATIVITY」は、「未来創造の技術」としてのクリエイティビティを議論・研究・実験する、産官学・文理芸・社内外の壁を超えた創発ラーニングプラットフォームとして設置され、昨年9月にTOKYO Campusを開港し、本格的に稼働しました。

また、スタートアップ企業との連携基盤強化については、厳しい経済環境下にあることを前提に、慎重な投資判断を行いつつも、有望な企業への投資を継続し、外部連携を引き続き強化しております。


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