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  • 2021.6.17

【データで読む】過去15年間の媒体別広告市場動向

過去15年間の広告市場

先日、経済産業省が発表している特定サービス産業動態統計調査の2020年度(2020/4-2021/3)までの数字が発表されました。それに際して、今回はインターネット広告部門が発表された2006年からの過去15年間の各媒体別の広告売上の推移を考察したいと思います。

テレビ広告市場推移

テレビ広告市場推移

まずは広告業界のキングであるテレビ広告市場です。直近ではインターネット広告に煽られながらも、この15年間ずっとトップ市場をキープしました。

06年度から見るとやや減っていますが、世間でテレビ離れが騒がれている割には大きく減っていない印象です。リーマンショックで少し市場を縮小させましたが、その後は緩やかに回復し、直近は新型コロナウイルス流行の影響で微減しております。

新型コロナウイルス流行が落ち着いたらまた緩やかに回復していくことは予想されますが、どこまで揺り戻せるかが注目です。

新聞広告市場推移

新聞広告市場推移
テレビと比べて圧倒的に減衰しているのが新聞広告売上です。実は06年の時点ですでに減衰は始まっており、さらにそれが加速しているようなグラフになります。

インターネットの登場でやや減衰をはじめ、リーマンショックの落ち込みからは回復が出来ていないことがわかります。

さらに14年度以降はスマホの本格的な普及期となりに、新聞読者がさらに急速に減った影響から広告市場も縮小していきます。

そして新型コロナウイルス流行の影響も受けて急落をしており、15年前のおよそ1/3まで縮小してしまいました。テレビ広告と違い、新型コロナウイルス流行が落ち着いた後の回復の期待も少なく、落ち幅は縮まるも、このまま緩やかに減衰を続けそうです。

雑誌広告市場推移

雑誌広告市場推移
雑誌広告市場も新聞広告市場と近い動きをしていることがわかります。インターネットが普及してからダウントレンドを続けています。

やはりリーマンショックでの下落が大きくそこからスマホの普及も追い打ちとなり、大きな下落を回復できないまま減衰しています。

さらに新型コロナウイルス流行の影響は新聞広告よりも大きくなっており、直近は大幅に減少をさせています。15年間で約1/5となってしまっており、新聞よりも減少幅は大きなものとなっています。

新型コロナウイルスが落ち着いた後も、下落幅は縮まるかもしれませんが、回復することはなく横ばい及び緩やかな減衰をしていきそうです。

ラジオ広告市場推移

ラジオ広告市場推移
新聞、雑誌よりも長期的に緩やかに減少を続けているラジオ広告。この15年間もずっとダウントレンドですが、落ち方は既にかなり緩やかになっています。規模は約半分となっています。

ひたすら減衰はしていますが、リーマンショックや新型コロナウイルスなどの外的要因の影響は他の市場よりは緩やかに見えます。

ラジオ広告はすでに下げ止まりつつありますが、インターネットの音声広告はインターネット側になっていくとすると、純粋なラジオ広告市場はこれからも緩やかに下がっていきそうです。

インターネット広告市場推移

インターネット広告市場推移
他の広告市場は大小ありつつもすべてダウントレンドでしたが、インターネット広告だけは独り勝ちの成長市場となります。

リーマンショック時にのみさすがに伸び幅は縮んでいますが、落ちることはなくずっと伸び続けています。

特に特徴的なのが新型コロナウイルス流行の影響で、ほかの市場が落ちたことと裏腹にインターネット広告市場は急成長となりました。新型コロナウイルス流行はインターネット市場にとって追い風になった方は、1ユーザーの生活体験としても納得であると思います。

今後はテレビもCTV(ネット接続テレビ)、新聞・雑誌は電子版、ラジオはインターネット音声広告へとますます移行していくと思いますので、インターネット広告市場は唯一の成長市場として伸びていくと思います。

そのような状況になると、既存の媒体市場の区切りから、インターネット広告内を体験や内容によって分けた数字も官公庁から出てくるかもしれません。

サマリー

インターネット広告の数字が発表されてから15年間が経ちましたが、インターネット広告の独り勝ちの様相は明らかになってきました。

一方で、テレビ広告のみ他よりも減りながらも粘っているのは、テレビ信仰が依然として強いことがわかります。ただテレビを持たないスマホネイティブ・動画配信ネイティブの世代が中心になっていくにつれて、その信仰も弱まることは想像されます。

新聞・雑誌・ラジオは消えることはなくとも、これからさらに存在感は弱まりそうです。ただ、ラジオ広告は電波からインターネットに波を変えて音声広告市場としては残ると思います。新聞と雑誌は、インターネットの世界ではテキストメディアという横並びになってしまうため、どこまでブランドを保ちながら独自の存在を維持できるかという点が重要になりそうです。

新型コロナウイルス流行によって、さらにネットシフトは加速していくと思いますので、媒体ごとの数字は意味が弱くなり、ほかの媒体はどこまでインターネット広告に溶け込むことができるかという勝負になりそうです。


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