サイバーエージェント、年末最後に再び電通の時価総額を逆転
新型コロナで振り回された2020年の広告業界の中で、最も大きなニュースの1つがサイバーエージェントが電通の時価総額を逆転したことでした。オリンピック中止などでマス広告不振に苦しんだ電通に対して、影響が少なかったデジタル広告に加えて、ゲーム事業やメディア事業が堅調に成長をしたサイバーエージェントが市場では高く評価される年となりました。
自粛ムード最高潮の5月に逆転
サイバーエージェントが電通の時価総額を逆転したのは、第一波が吹き荒れ、自粛ムードが最高潮であった5月でした。広告出稿をあらゆる企業が自粛を始める中、ゲームや動画配信など巣ごもり需要が急増したこともあり、サイバーエージェントが電通を上回ることになりました。
8月に再び電通が抜き返す
その後、新型コロナの感染が少し落ち着き、広告出稿も回復し始めた8月に再び電通が株価を伸ばし始め、サイバーエージェントを追い抜き返しました。その後、年末まで両社の株価は緩やかに伸びつつも、常に電通の方が上位にありました。
大納会に再び逆転
そして、第三波の終わりが見えない中で迎えた大納会(12/30)、再びサイバーエージェントが電通の時価総額を逆転しました。最後はサイバーエージェントが伸ばし、電通が下げる形での逆転となりました。再びの自粛ムードの可能性から市場がそのように評価したと考えられます。
2021年はどうなる?
2020年のサイバーエージェントと電通の時価総額のグラフは、今年の新型コロナの自粛と経済復帰のバランスをそのまま表しているように思えます。
2021年の両社のレースも新型コロナ次第と言えるかもしれません。オリンピックが開催され、自粛が和らげば電通の株価はさらに伸びると思います。一方で、サイバーエージェントの成長は新型コロナでブーストされたこともあり、自粛ムードが和らいでも堅調に伸びるとも言えます。2021年も両巨塔を中心に、広告業界の動きに注目したいと思います。