サイバーエージェント、終値で電通グループの時価総額を上回る
5月20日の終値ベースでサイバーエージェントの時価総額が、電通グループの時価総額を上回りました。
電通グループの新型コロナによる世界的な広告売上の不振が響く一方で、サイバーエージェントはゲーム事業の好調さが大きく時価総額を伸ばす要因となりました。
新型コロナ下で博報堂、電通を抜いたサイバーエージェント
新型コロナによる影響でナショナルクライアント・グローバルクライアントは広告出稿費を大きく削ることになり、電通グループと博報堂HDに大きな影響を与えました。
一方でサイバーエージェントも広告事業は影響を受けたものの、ネット広告、特にサイバーエージェントが得意とするダイレクトレスポンス型広告はマス広告と比べると影響が軽微であったことに加え、ゲーム事業など広告事業以外が好調であったことから、新型コロナによる影響は軽微、むしろプラスの部分もありました。
そのような状況下で、2月25日にサイバーエージェントは博報堂HDの時価総額を上回りました。今はその差をさらに広げています。
その後、4月4日に一時的にですがサイバーエージェントが電通の時価総額をも上回りました。ただ、この日は電通が買い戻され、終値ベースでは再び電通グループが高額となりました。
そして、ついに5月20日に終値ベースでもサイバーエージェントが電通グループの時価総額を上回るという歴史的な日を迎えました。
広告会社としての首位は引き続き電通だが企業価値ではサイバーエージェントか
ただ、下記前回の記事でも紹介したとおり、広告事業のみの売上規模でいえば、電通グループが圧倒しており、博報堂HDもサイバーエージェントよりも広告事業の売上規模は巨大です。
そのため、日本一の広告会社がサイバーエージェントになったというと少々語弊がありますが、広告事業が主力の会社で最も企業価値が高い会社がサイバーエージェントになったという言い方はできるかもしれません。
サイバーエージェントは今後動画配信事業も黒字化していけば、さらに企業価値が高まっていくことが予想されます。一方でまだ広告事業に大きく頼っている電通や博報堂が他分野を成長させるなどポートフォリオを安定化できるかがポイントになるかもしれません。最近ではコンサル事業や新規事業支援など広告事業以外も行っている印象はあります。
新型コロナ収束後の広告市場の風景が大きく変わる可能性もあり、動向に注目が集まります。