2022年媒体別広告費比較【経産省調べ】
経済産業省が毎月発表している媒体別広告比の6月度のデータが発表されました。これで2022年も1-6月の上半期のデータが揃いましたので、4マス(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)とインターネットの広告市場を比較分析したいと思います。
新聞
まずは新聞広告です。コロナ流行前の2019年から同期間で比較を行っています。毎年縮小をしており、昨対比で▲4.34%となっております。2019年からは▲26.96%となっており、3割近く市場が縮小していることが分かります。
直近ではやや下げ止まりの傾向も見えてきていますが、新聞部数の減少は引き続き大きくなっているため、今後も広告市場も縮小していくと考えらえます。
雑誌
続いて雑誌広告の比較です。新聞と同様に毎年縮小しておりますが、新聞よりも減り方が深刻なことがグラフからも分かります。昨対比で▲9.24%と1割近く減少しており、2019年からは▲49.05%と約半減している状況です。
直近でも下げ止まりの傾向はあまり見えずに、雑誌自体の販売部数が減っており、休刊・廃刊も多くなってきています。今後も雑誌広告市場は縮小していくと考えられます。
テレビ
2020年までは最大市場であったテレビ広告です。昨対比で▲4.26%と減少しています。昨年は一昨年から大きく伸びていることからも反動となっており、最もコロナの影響が大きかった2020年よりはやや回復していることがわかります。
しかし、コロナ前の2019年からは▲13.25と1割以上縮小しています。テレビ広告が最も景気に左右されやすいため、まだコロナ前の景気に戻っていないとも言えますが、テレビ広告市場自体が、少しずつインターネットなどの別の市場にお金が流れることで縮小しているとも言えます。今後も波はありつつも、少しずつ縮小していく可能性は高いでしょう。
ラジオ
次はラジオ広告です。昨対比で▲3.83%となっており、下げ止まりの傾向はありつつも、まだまだ縮小している状況です。2019年からは▲23.43%となっています。
インターネットラジオや音声アプリなどが普及していることで、音声広告市場は伸びていますが、ラジオ広告というラジオ波での広告は今後も縮小していくと考えられます。
インターネット
最後はインターネット広告です。今回紹介する中では、唯一の拡大市場となります。昨対比で+6.64%で、2019年からも+72.05%と成長を続けております。
しかし、2019上⇒2020年上は+28.3%、2020年上⇒2021年上は+25.7%と25%を超える成長をしていたのですが、今年は+6.64%と急激に鈍化していることがわかります。全体的な不景気の影響で広告市況の調子が悪いことも背景にありますが、インターネット広告市場も成熟に向かいつつあるとも言えるかもしれません。
まとめ:2022年は広告市場は苦戦
2020年のリバウンド需要で比較的好調であった2021年と比べると、2022年は、リバウンド需要も一巡し、ロシアのウクライナ侵略の影響などによる世界的な物価高などもあり、広告市況が悪いと言えます。
4マスは長期下落トレンドが続いており、まだ歯止めは見えません。唯一の成長市場であるインターネット広告市場も徐々に成熟化していることが伺えます。
広告市場全体が成熟・停滞してきているため、効果的・効率的な広告手法がさらに重要になってきますが、消費者にとって安心・安全な施策という視点も引き続き求められます。