朝日新聞社、2022年度決算は最終利益8割減~営業利益は赤字へ~
2023.5.26
朝日新聞社は、2022年度の連結決算を発表しました。売上高は2,670.31億円(前年度比▲2.0%)、営業利益は▲4.19億円の赤字、経常利益は70.62億円(前年度比▲62.7%)、当期純利益25.92億円(▲80.0%)となりました。減収減益で、営業利益ベースでは赤字という厳しい決算となりました。
単体決算はさらに厳しい数字
朝日新聞社の単体での決算は、売上高は1,819.50億円(前年度比▲3.3%)、営業利益は▲19.23億円の赤字、経常利益は24.82億(前年度比▲77.4%)、当期純利益は▲3.79億円の赤字となりました。減収減益で営業利益と当期純利益は赤字という本業での稼ぐ力が無くなっていることを示す厳しい数字です。
発行部数は全盛期の半数以下に
朝日新聞の発行部数はABC協会によると約376万部(23年3月)となっており、全盛期の800万部時代からは半減している状況です。一方でWeb版に当たる朝日新聞デジタルは25万部~30万部弱ほどで伸び悩む状況が続いています。
メディア事業の苦境から直近2度の早期退職
上記のような苦境から、本業であるメディア事業は数年前から赤字状態となっており、不動産を中心とする他の事業で黒字化する状況が数年続いています。コスト削減策として、直近では2度の大規模な早期退職を実施し約300名が退職をしました。
夕刊廃止・購読料値上げにも限界が・・・
メディア事業での改善策としては、東海3県エリアでの夕刊を廃止、朝刊購読料などの値上げ(23年5月より)を行っています。
ただ、人員削減や夕刊削減などのコスト削減策には限界があります。また、値上げをすることでの増収も読者離れのリスクが高いため、限界があります。デジタル事業も読者獲得・ネット広告単価の双方で伸び悩む中で、不動産事業の更なる成長と他の分野での新たな収益源が求められています。