電通、Yahoo!広告における脱デモグラフィックの配信・分析を実現する「DESIRE Targeting」の提供開始
電通の消費者研究プロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGN(デンツウ・デザイア・デザイン)」は、マーケティングにおいて主流となっているデモグラフィック(性・年代などの属性データ)や興味・関心データによるセグメントだけではなく、人の根源的な心理である「欲望(Desire)」を捉え、「欲望」「デモグラフィック」「興味・関心」の3つの軸で消費者を理解しYahoo!広告の配信や分析が行える仕組み「DESIRE Targeting」を開発し提供開始しました。
近年、企業のマーケティング活動において、デジタルの普及により、人々の興味・関心を捉えることで顕在層のターゲティングが可能となり、コンバージョン率の向上につながりました。しかし、回を重ねるごとにその効率は低下していき、顕在化したニーズを追いかけるだけでは、潜在層を捉えることは難しいという状況に直面しています。そのような中、DDDは、マーケティングにおいて需要を創出するには、人々の興味・関心だけでなく、消費者の心を動かす、人が心の奥底で望んでいること=「欲望」を捉えることが重要だと考えています。
DDDでは「DESIRE Targeting」を用いて、電通の持つ「欲望」に関する調査データと、LINEヤフー株式会社(以下「LINEヤフー」)のデータを掛け合わせる※1ことによって、1)「欲望分析」を行い、その結果を用いた、2)「広告配信」、3)「クリエイティブ制作」、4)「効果検証」を一気通貫で提供します。これにより、ターゲットをより深いレベルでセグメントし、新たな需要創出へのきっかけを見つけた上で広告配信に結びつけることが可能になります。
1)欲望分析
DDDは、「欲望」を定量的かつ体系的に把握するため、電通が2021年から実施している「心が動く消費調査※2」をもとに因子分析などを行い、人が持つ「11の欲望※3」を特定しました。
〈「11の欲望」〉
これを電通の持つ意識調査データと掛け合わせることで、さまざまな「欲望」と、商品カテゴリーの関係性を可視化しました。戦略立案の際はこのコレスポンデンス分析※4を用いて、どの「欲望」を意識すべきかを事前に特定することが可能です。
例えば、スポーツドリンクにおいては、通常「止渇」という機能性が注目されがちですが、「欲望」との関係でみると、上記 04「繋がり&共感」と親和性があることが分かります。スポーツドリンクの購入には、スポーツを通じてのチームワークやチームへの貢献などの気持ちが重要であることが読み取れます。また、ヨーグルトを「欲望」との関係でみると、10「愛情」と親和性があることが分かります。単なる健康目的の商品ではなく、家族の健康を想う=愛情が購入の動機となっているといえます。
〈コレスポンデンス分析を用いた「欲望」と各商品カテゴリーとの親和性イメージ〉
2)広告配信
DDDとLINEヤフーの共同チームは、「11の欲望」と、LINEヤフーの多様なデータを活用し、LINEヤフーユーザーの「欲望」を予測する機械学習モデルを構築しました。これにより、需要創出の根源となる「欲望」起点のセグメントを作成し、Yahoo!広告でアプローチすることが可能になりました。1)の欲望分析により、該当商品と親和性がある「欲望」を特定し、その「欲望」を持つLINEヤフーユーザーを予測。該当商品/商材特有のデモグラフィックや興味・関心データを加味しながら独自のセグメントを作成し、Yahoo!広告で配信を行います。
〈「DESIRE Targeting」の需要創出イメージ〉
3)クリエイティブ制作
広告配信に必要なクリエイティブ素材については、DDD専属のクリエイターが、「欲望」、「デモグラフィック」、「興味・関心」データをベースに、消費者の「欲望」にアプローチするクリエイティブを制作する体制を構築しています。将来的には生成AIを導入していくことも検討しています。
4)効果検証
実際に需要創出に寄与したかを計測するため、「ビュースルー指名検索リフト※5」などをKPIとして、効果検証を行います。
〈「DESIRE Targeting」の効果検証例〉