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  • 2015.7.29

アドフラド・Viewable・Transparencyに関わる基礎知識

背景
「CPMが安く仕上がっていれば良い」「CPCが安く仕上がっていれば良い」「CPAが目標に合っていれば良い」というパフォーマンスを追い求めるために進化してきたアドテクですが、常に側面にいるのは「不正な値をどのように弾いていくのか」という課題です。

 昔から存在していた課題ですが、今日ではプログラマティック取引が急拡大し、いよいよ人間では出稿先や細かいレポートを確認にできなくなりました。それにつれて「不正な値」への疑心暗鬼は欧米のマーケターを中心に拡大をしていきました。

 そこで、2014年頃から改めてこの「不正な値」への対処方法がアドテク業界の大きなトレンドになりました。今回は、この「不正な値」にまつわる基礎知識を改めておさらいしたいと思います。

■アドフラウド
いわゆる「不正な値」の総称です。「不正インプレッション」、「不正クリック」、「ボット」、「ノンヒューマンアクセス」など様々な言われ方・使い方をされるものです。つまりは、本来は「広告出稿料を払う価値のない値」です。悪意あるプログラミングや専門業者等がこれらのアドフラウドを生み出していると言われています。

北米では、全インプレッションの10~20%以上がアドフラウドであるという調査結果もあり、広告主にとっては広告費の無駄を削減するため、媒体は自社のレポートの正当性を主張するためにアドフラウドの検出に躍起になっています。

■Viewable
ただのインプレッションではなく、「その広告がしっかりとブラウザ上で表示されたか」の値です。インプレッション自体は、技術的にはページが開いてリクエストが飛んだタイミングで発生するため、実際にブラウザに表示されなくてもカウントされてしまいます。つまり、アドフラウドではないインプレッションであってもViewableでなければ、結局ユーザのブラウザには届いていない「価値のない値」という考えが広がり、このViwableへの注目が高まっています。

Viewableは、in-view、Active View、Adviewなどの言い方もされることもあります。欧米のマーケターの中には、Viewableインプレッションしか買わないという意見も増えてきており、媒体社やベンダーも100%Viewable保証の商品を売るところも出てきています。

ちなみにViewableの定義は、

ディスプレイ広告:広告の50%以上のピクセルが1秒以上
ビデオ広告:広告の50%以上のピクセルが2秒以上

IABは定義していますが、実際はさらに長い表示時間や表示率をレポートで求めるケースが増えています。

また、Viewableの流れで出てくる「ファーストビュー」や「Above the fold」はあくまで「広告枠の位置が上部にあること」を意味しているだけであり、必ずしもViewableを保証しているわけではりません。

■Attention
まだあまり浸透していない値ですが、アドフラウドではなくViewableであっても、それはあくまで「人間であるユーザのブラウザに表示された」ことを意味しており、本当にそのユーザがその広告に「意識を払ったか」というところまではわからないという考え方から、Attenuationという指標が出てきました。

かつてはその値が「クリック」だったわけですが、リテラシーが高まってきているウェブユーザは広告をクリックしなくなりCTRは年々下がっています。しかし、ウェブ広告に「意識を払っている」ことは確かであり、「クリック」に変わる指標の1つとして提唱され始めています。

■Transparency(透明性)
この言葉もアドフラウドと同じかそれ以上に、広範な意味合いで使用されます。「どの程度アドフラウドが混ざっているのか」「どの媒体に配信されていたか」など広告のあらゆる面において使用されており、ブラックボックスが多くわかりづらい広告配信の中身を「シンプルに可視化したいという思い」が裏にあります。

ブラックボックスが多いのはプレイヤーが開示していないこともありますが、プレイヤーが多すぎてフラグメントが大きいことも原因となっています。そのため、個々のプレイヤーが中身を開示して透明性を高めるだけでなく、いくつかのツールを1つをまとめることでこの透明性を高めるという発想も進んでいます。

■プレミアム
最近非常に多用されてきており危険なワードが「プレミアム」です。「不正な値」に対する不安が広がる中、古くからある媒体・PVが大きく知名度がある媒体・純広告も取り扱っている媒体などが決まった定義もなく自らを「プレミアム媒体」と呼び安全性を売り込んでいます。またそのような媒体を束ねたプラットフォームが「プレミアムプラットフォーム」や「プレミアムネットワーク」と自らを呼び同じく安全性を売っています。

当然、伝統があり知名度も高い媒体は、これまでの実績やユーザ・マーケター双方との関係性もあるため、有象無象の小媒体と区別するために「プレミアム」を名乗ることは問題はありませんが、「プレミアム」=「アドフラウドがない」「Viewableやアテンションが高い」ということは意味しません。

むしろ、マーケターがプレミアム媒体・プラットフォームを買う場合は、アドフラウドやViewableの計測を細かく行う費用を抑える代わりに、少々高くつく代わりに、ブランドを信頼して購入するという行為になります。
※もちろん媒体やプラットフォームによっては、アドフラウドやViewableの指標も合わせている場合もあります。

■プライベート・ダイレクト
プライベートマーケットプレイスプログラマティックグダイレクトなどの取引の際に登場しますが、特定の媒体と特定の広告主が、特定のプラットフォームを利用して広告を取引することを意味します。純広告の時代では当たり前ですが、そのようなことがプログラマティックでも可能になったため、改めてこのようなワードで語れるようになりました。

これらの考え方の登場で初期型のRTB取引は、オープン取引と相対的に位置づけられるようになり、オープン取引であると「透明性がない=どこで誰に出ているかわからない」という流れになりました。ただ、ここで注意しないといけない点は、「プレイベート・ダイレクト=透明性が高くアドフラウド等もない」というわけでは必ずしもないということです。

今後
プログラマティック取引が、モバイル・ラジオ・テレビと拡大する中、この「不正な値」との戦いも形を変えて続いていくと思います。「不正な値」を検知するツールも進化を続けますが、「不正をするツール」も進化を続けているため、イタチごっこな部分はあります。月並みですが、最新なトレンドの把握とリテラシーを持ち続けてレポートを分析し、ツールを選択していくことが重要です。


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