広告経由でインストールされたゲームアプリではATT同意率が70%以上【Adjust調査】
Adjustは、iOS 14.5のアップデートがターゲティング広告と広告収益に及ぼしている影響に関する調査結果「同意率と広告収益を調査:iOS 14の真のインパクト」を発表しました。本調査結果では、ユーザーの同意率、SKAdNetwork、広告収益の影響など、業界で話題になっているトピックを取り上げ、今回の変更がアプリエコノミーに与える影響について解説します。
以下は、本調査結果の主要ポイントです。
同意率に関して
iOS 14.5のリリース以降、アプリが複数のWebサイトやアプリを横断してターゲティング広告を配信するには、エンドユーザー(デバイスを使用している人)に同意をリクエストすることが必要となり、世界的観点ではわずか5%に留まると予測されていました。しかし、AdjustがAppLovinの自社スタジオのアプリで収集したデータを分析した結果、その予測をはるかに上回る同意率であることが明らかになりました。その理由として、初期に報告された複数の調査では、同意のリクエストを明示したアプリだけでなく、同意フローが未実装、または、未計画のため同意リクエストをしなかったアプリまでのすべての数値を基に算出されていたためであると考えています。
主な調査結果は以下のとおりです。
1. 広告経由のインストール率の高いアプリは、同意率も実質的に高くなる
消費者は、関連性のある広告を通じて、これらのゲームアプリを見つける傾向にあります。「Animal Transform」と「Save the Girl!」は、広告経由での利用が大部分を占めるハイパーカジュアルゲームです。そのため、さらにそのゲーム内で表示された広告から関心のあるゲームやアプリを見つける可能性が高いと考えられます。これらのアプリの同意率は、70%以上に達しています。
2. 同意率は時間が経つにつれて増加する
iOS 14.5以降のバージョンの普及が進むにつれて、同意率は上昇傾向にあります。現在、iOS 14.5の普及率は15%以下です。しかしAdjustでは、このアプリバージョン以降のものが普及するにつれて、より多くのアプリがユーザーに同意をリクエストすることで、ユーザーが関連性のある広告のメリットをさらに理解し、結果としてオプトイン率が増加すると考えます。現在のデータに基づいたAdjustの予測として、同意率は平均40%ほどになり、その後、50%まで上昇する可能性があると見込んでいます。
● SKAdNetworkについて
iOS 14.5のリリース以降、AdjustはSKAdNetworkのダウンロードや再ダウンロードに関するテストをしています。その結果、新しいアトリビューション計測の正確さは、従来のものとほぼ変わらないということが明らかになりました。iOSの広告在庫の大多数がすでにSKAdNetworkをサポートしており、Adjustはこれらのコンバージョンを正確に報告することが可能な量のデータを保有しています。
● 広告収益への影響について
iOS 14の発表直後は、業界の大半の企業が、広告収益が50%減少すると予測していました。しかし、AppLovinが提供するメディエーションプラットフォーム「MAX」による調査結果では、まだ同意していないiOSユーザーがCPM(1,000回表示あたりの広告費)の30%減をもたらしていることが分かりました。しかし、オプトインしたiOSとAndroidユーザーがCPMを増加させており、収益減は完全に相殺されていることから、パブリッシャーの広告収益は増加し、結果としてオプトアウトしたユーザーグループによる収益損失を補っています。結果として、広告収益への影響はごくわずか、あるいは、影響がないとの見方が可能です。
Adjust 日本ゼネラルマネージャー 佐々 直紀
iOS 14のリリース以降、モバイルエコシステムは大きく変化しました。iOS 14はアプリマーケターの広告への取り組み方に大きな影響を与えました。また一方で、同意率の高さやSKAdNetworkの正確性、さらに広告収益への影響の点では、業界の現状は当初の予測よりも楽観的ともみえます。
高い同意率を得ることは、より正確で的確なマーケティングキャンペーンを遂行し続けるためにも重要です。同意率の施策についてはAdjustのブログでも紹介していますが、様々な工夫が必要となります。今後もAdjustは、パートナーやプラットフォームと協力し、研究を重ねながら、マーケターの皆様に有益な情報を提供して参ります。