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広告の「No.1」表記の実態と摘発事業社のイメージ悪化について【GMOリサーチ&AI調査】

2024.6.19
GMO
GMOインターネットグループで、インターネットリサーチ事業を展開するGMOリサーチ&AI株式会社は、保有する国内モニターパネル(※1)「JAPAN Cloud Panel」の4,914人を対象に、広告の「No.1」表記に関する自主調査を実施しました。

(※1)パネルとは、アンケート協力の承諾を得ている会員(モニター)の集合体

■調査サマリー
・広告に「No.1」表記があることで、約60%の人が購入の動機に影響すると回答
・「No.1」表記を見て、約半数の人が「よく売れている商品」と感じた
・「No.1」表記のデータ(根拠)を確認する人は、全体の1/3強に留まる
・広告の「No.1」表記で摘発を受けた企業のサービスについて、90%以上の人が今後の購入意向に影響すると回答

  • 【調査実施の背景】

近年、広告の「No.1」表記に関する消費者庁の摘発が相次いでおり(※2)、多くの企業が合理的な根拠がない「No.1」表記をしたことで景品表示法違反(優良誤認表示(※3)に該当する)となり、行政処分を受けています。華やかな「No.1」の裏側には、消費者を欺く悪質な行為が横行していることが浮き彫りになってきています。

このような状況を踏まえ、本調査では、消費者の「No.1」表記に対する実態を定量的に把握し、今後の情報発信や広告活動における指針となることを目的としています。

 

(※2)新井消費者庁長官記者会見要旨:https://www.caa.go.jp/notice/statement/arai/037191.html

(※3)優良誤認表示とは:https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/misleading_representation

 

  • 【調査概要】

・調査テーマ:「No.1表記・広告に関する」実態調査

・回答者数:4,914人

・調査対象:20歳以上の男女

・調査期間:2024年5月23日(木)~2024年5月24日(金)

・調査方法:オンライン調査

 

  • 【調査結果】

■広告に「No.1」表記があることで、約60%の人が購入の動機に影響すると回答

「No.1」表記が購入の動機に影響するかを質問したところ、影響する(かなり影響する・影響する・やや影響する)と回答した人が58.7%にのぼり、「No.1」表記が購入時の検討材料として大いに影響していることが分かりました。

■「No.1」表記を見て、約半数の人が「よく売れている商品」と感じた

次に、「No.1」表記のついている商品・サービスを見てどのように感じるかを質問したところ、約半数の人がよく売れている商品と回答。また、多くの消費者が支持している商品、優れた商品との回答が上位を占め、「No.1」表記が優良な商品イメージにつながっていることがうかがえました。

■「No.1」表記のデータ(根拠)を確認する人は、全体の1/3強に留まる

「No.1」表記について、どのようなデータ(根拠)か確認するか質問したところ、46.9%の人が「ほとんど確認しない・確認しない」と回答したことから、根拠まで確認する人は全体的に少ないということが読み取れました。
このことから、「No.1」表記があることで、根拠が不十分であったり実際には「No.1」ではなかったりする場合でも、多くの消費者がその商品を良さそうと感じて購入する可能性が高いことが分かりました。これにより、消費者が「No.1」と誤認するリスクが生じる一方で、そのような表記を行う企業側も意図せず消費者を誤解させてしまうリスクがあると言えます。

■広告の「No.1」表記で摘発を受けた企業のサービスについて、90%の人が今後の購入意向に影響すると回答

消費者庁の「No.1」広告の摘発を受けている企業へのイメージについて聞いたところ、36.8%の人が「良いイメージを持たない・あまり良いイメージを持たない」と回答しました。
また、摘発を受けている企業の商品・サービスの今後の購入意向について聞いたところ、49.6%の人が「比較検討はするが、大きなメリットがない限り利用しない」、29.5%の人が「今後購入しないと思う」と回答しました。摘発により、企業・商品イメージが悪化し、顧客離れに繋がっていることが分かりました。

■摘発を受けた企業に対する消費者の意見は厳しいものばかり

最後に、摘発を受けた企業に対するイメージを自由回答で尋ねたところ、「信用できなくなる」「詐欺まがいに思える」「企業の営利活動だけを重視する企業と思え購入意欲がわかない」「商品に対して企業の自信のなさの表れ」といった、厳しい意見が多く寄せられました。

 

<自由回答・一部抜粋>

・誠実な企業ではないイメージ。顧客をだますような行動に対し、企業の考え方に疑問を感じる

・しっかり確認をしない消費者にも多少非があるが誇大広告をしてネームバリューが上がると思っている企業自体が浅はかだと思う

・消費者を欺く広告であると企業自身が認識していたはず。かなり悪質であり、ブランド力が大幅低下

・宣伝文句だけではなく商品の実際のスペックや効果等も偽っているのではないかと疑ってしまう

 

  • 【まとめ】

不適切な調査に基づいた広告の「No.1」表記を使用した場合、景品表示法違反のリスク、企業イメージの毀損、顧客離れ、売上減少、最悪の場合は事業停止につながるリスクがあります。

「No.1」表記は、企業にとって有効なブランディング戦略の一つですが、「No.1」の獲得には慎重な判断が必要です。「No.1」表記を掲載する場合は、以下調査プロセス、調査結果、表示方法に注意することが重要です。

・調査プロセス:調査は客観的かつ合理的な根拠に基づくようにする

-公的機関や第三者機関による調査など、独自の調査やランキング以外の根拠も提示する

-調査方法や対象母集団、集計方法などを明確にし、客観性・合理性を担保する

・調査結果:第三者機関による検証を受ける

-調査結果の信頼性を高めるために、第三者機関による検証を受ける

・表示方法:誤認を招かないよう注意する

-「No.1」という表示だけでなく、調査対象や期間、根拠などを明確に表示する

-誇張表現や曖昧な表現は避け、消費者を誤認させるような表示をしない

 

「No.1表記を用いる場合は、景品表示法をはじめとする法令を順守し、透明性・信頼性を確保した「No.1」を獲得しましょう。


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