ツイート

このエントリーをはてなブックマークに追加

↑PAGE TOP

電通、物価高を考慮した最適価格構築を目指す支援を開始

2025.1.14

dentsu

電通は、物価高を考慮しながら商品価格の妥当性を検証し、企業と消費者の双方にとって最適な価格の構築を支援する「Marketing For Growth With Pricing」を開発し、本日より提供を開始します。当社のマーケティング分野における知見を生かし、商品・サービスにおいて形成されているブランドイメージや価格・需要との関係性を分析し、企業の業績に大きく寄与する価格戦略の策定に向けて、商品力を高める価値の創出とそれに伴う最適な価格の運用を支援します。


昨今の原材料費や人件費の高騰に伴い、商品・サービスの価格は上昇傾向が続いていますが、日本の平均所得の伸びは停滞しています。そのため、消費者が「価格に見合った商品・サービスではない」と感じて、買い控えや他社製品への買い替え傾向が強まる一方で、価格が上昇しても消費者離れが起きにくい商品・サービスも存在しています。商品・サービスの価格は、企業にとって収益の改善を決定づける大切な要素であり、価格の見直しについての企業の関心は高まっているものの、多くの企業が価格戦略に試行錯誤しているのが現状です。社会情勢を考慮しながら、企業と消費者の双方にとって最適な価格の構築をするニーズが高まっています。

今回、当社は「Marketing For Growth With Pricing」の提供開始にあたって、独自の調査を実施し、消費者の「頭の中の価格イメージ」と「購入実態」を分析しました。これにより、顧客が自社の商品やサービスの現在の立ち位置や同価格帯の商品群における優位性を把握する、価格戦略策定の手法を独自に構築しました。

消費者は、購入しようとしている商品・サービスに対して想起する価格(Recall Price=RP)があり、その価格に見合った価値があると判断したものを購入します。RPとLP(販売価格、List Price=LP)が釣り合っている状態を、Fair Value Line(FVL)と呼びますが、消費者が「思っていたよりも高い」と感じる、つまりRPがLPを下回る状態が続くと、商品・サービスに対する購入やリピートへの意向が下がり、他社製品への買い替えが起きてしまう可能性があります。そのため、商品・サービスのRPがLPを上回るように調整することが重要です。

<消費者が商品・サービスに対して想起する価格(RP)と販売価格(LP)の関係図>
b2025-001-0114_1.jpg
当社は、「洗剤・柔軟剤」「ヘアケア」「アイスクリーム」「ビール」の消費材を中心とした4つのカテゴリーにおいて、RPと LPの関係と、RPと需要の関係について独自に調査を実施しました。調査では、商品・サービスの購入意向やブランド価値、RPを聴取し、LPなどのデータをインプットして分析しました。その結果、各カテゴリーにおいて、価格を形成する個別要素や取りうる価格戦略の違い、商品カテゴリーによって消費者の動向が異なることなどが分かりました。

<調査・分析結果の一部>
b2025001-0114_2.jpg

 

b2025001-0114_3.JPG

「Marketing For Growth With Pricing」では、この調査結果を踏まえ「単価」に寄与する評価項目を定量化し、「需要」以外の新しい売り上げ創造を支援します。例えば、コミュニケーション戦略によりブランド価値を高めると、RPの向上とともに需要の創出も期待できるため、マーケティング活動を通じて「価値があるからこの価格になる」と納得してもらい、需要の創出や購買行動につなげられるような仕組みを目指します。

<「Marketing For Growth With Pricing」でできること>
b2025001-0114_4.JPG

また、LPを上下させた際の購入数量への影響について、リスクと潜在的な利益を両面から試算し、数量とLPが最大化するよう工夫するといったアプローチも可能です。さらに、LPを上げても需要を保つためにはRPの向上がどれほど必要なのかや、RPを高めるために商品・サービスの価値をどれほど高める必要があるかなどについても数値化・可視化を検討していきます。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加