電通グループ、世界24カ国に2,800名を擁する英国「タグ社」買収
電通グループは、デジタルクリエイティブコンテンツの制作とマーケティングのパーソナライゼーション支援をグローバルに展開する英国のTag Worldwide Holdings Ltd(本社:英国 ロンドン、CEO:David Kassler、以下「タグ社」)の株式100%を取得することにつき、同社の株式を保有するプライベート・エクイティファンドであるAdvent International社※1と合意しました。なお、本買収完了のためには、規制当局による独占禁止法上の承認を得ること、およびその他の諸条件を満たすことが要件とされており、現時点では2023年度下半期での完了を予定しています。
電通グループはマーケティング、テクノロジーとコンサルティングの融合が進む電通の事業ドメインを「人起点の変革(People-centered Transformation)」と捉え直し、卓越したクリエイティビティとテクノロジーの力で新たなソリューションと社会的インパクトを生み出す企業へ進化を続けています。タグ社の事業※2は、デジタルクリエイティブコンテンツ制作事業、テクノロジー事業、チャネルアクティベーション事業によって構成されており、買収後は、「人起点の変革」の中心となる顧客体験マネジメント(CXM)※3領域の推進および、マーケティングのパーソナライゼーションを通して、メディア領域・クリエイティブ領域も合わせた統合的な事業展開に寄与します。
タグ社はAdvent International社の傘下となった2017年以降、100百万ユーロ以上の投資による6つの企業買収を経て、現在、世界29カ国に約2,800名のスペシャリストを擁し、11の制作拠点(1つのグローバル制作拠点と10の特化型制作拠点)を保有しています。このグローバルな組織を最大限に活用すべく、オペレーションについては、電通グループのネットワークト・タレント体制※4と同様の運営がなされており、世界中で、その顧客企業の課題解決に最も適した人財が、適した時間帯で対応しています。これにより、世界各地の顧客企業に効率的にサービスを提供することができています。
また、タグ社の事業の基盤となっているのが、マーケティングプラットフォームである、「デジタルインタラクト (Di)」です。これにより、顧客企業のマーケティング担当者が、キャンペーンの適切な管理、コンテンツ制作の自動化・最適化を実現させることに加え、タグ社のクリエイティブ制作、コンテンツ調達におけるグローバルネットワークをシームレスに利用することを可能にしています。
これらの差別化により、現在、タグ社は世界の主要100の顧客企業のうち38企業から選ばれるパートナーとなっています。また、顧客企業との平均契約期間は7年以上と、長期のリレーションを構築しています。
さらに、1972年に設立され、約50年の歴史で育まれたタグ社の企業文化は、ビジョンやバリューにおいて社会的インパクトを重視する電通グループと共通しており、2,800名が電通グループに融合し、同じ志を持つプロフェッショナルが協働することで、大きなシナジーを期待できます。
当買収完了後、タグ社は電通グループのインターナショナル・マーケット(日本を除く地域)における6つ目※5のネットワークブランドとなります。また、タグ社の売上総利益は電通グループ連結の約3%の規模であり、これは電通グループの「カスタマートランスフォーメーション&テクノロジー(CT&T)」※6構成比率を32%(2022年度実績)から34%へ押し上げる規模であることから、電通グループ全体の事業変革にも大きく貢献します。
電通グループは今後も、顧客体験マネジメント領域へ経営リソースや投資を集中させていくことで、事業戦略の中核である「Integrated Growth Solutions(インテグレーテッド・グロース・ソリューション)」を、最高品質かつ効率的なバリューチェーンで顧客企業に提供していきます。
Tag Worldwide Holdings Ltd 社の概要
正式社名: Tag Worldwide Holdings Ltd
会社URL:https://www.tagww.com/jp/ja(日本語)
本社所在地: 英国 ロンドン
設立: 1972年
株主構成: 株式取得後、電通グループ100%
代表者: David Kassler(CEO)
従業員数: 約2,800名
事業内容: デジタルクリエイティブコンテンツ制作事業、テクノロジー事業、チャネルアクティベーション事業
※1:会社URLは以下よりご覧ください。
http://www.adventinternational.com(英語のみ)
※2:タグ社の事業 詳細
① デジタルクリエイティブコンテンツ制作事業
(デジタルビデオ、ハイエンドCGI、動画、AR/VRの制作、編集等)
② テクノロジー事業
(UXデザイン、ウェブサイトおよびプラットフォームの開発、マネージドサービス(通信やITサービスの利用に必要な機器やソフトウェアの導入、管理、運用などの業務を指します)、デジタルインタラクト(Di)サービス等)
③ チャネルアクティベーション事業
(戦略的アドバイザリーサービス、オムニチャネルコンテンツの配信等)
※3:CXM:Customer Experience Management(顧客体験マネジメント)を指します。
※4:ネットワークト・タレント(Networked Talent):ネットワークト・タレントは、電通グループが世界中に有するに拠点で、特定のスキルを持ったスペシャリストの集団を指します。電通グループは、各拠点のネットワークト・タレントを繋げることで、顧客企業に対して、場所と時間の制約無く、高品質なソリューションを提供します。
※5:Carat、dentsu X、iProspect、Dentsu Creative、Merkleの5ブランドに加えて、6つ目のネットワークブランドとなることを指します。
※6:電通が2021年2月発表の中期経営計画で示したマーケティング・テクノロジー、カスタマーエクスペリエンスマネジメント、コマース、システム・インテグレーション、トランスフォーメーション&グロース戦略などの事業で構成される高成長領域を指します。