電通、「2025年 日本の広告費」を発表
媒体別広告費詳細
(1) マスコミ四媒体広告費
①新聞広告費 3,136億円(前年比91.8%)
・不透明な世界情勢や円安による物価高の影響などを受け、新聞広告出稿は伸び悩んだ。第27回参議院議員通常選挙や大阪・関西万博、東京2025世界陸上などの開催は、広告費を押し上げるには至らず、通年では減少した。
・業種別では、「家電・AV機器」「精密機器・事務用品」「自動車・関連品」などが増加した一方、「食品」は前年比85.3%と前年に続き減少した。回復傾向にあった「流通・小売業」も同88.7%となった。
②雑誌広告費 1,135億円(前年比96.3%)
・紙の出版物推定販売金額は減少し前年比95.9%となり、内訳は書籍が同100.0%、雑誌が同90.0%となった。電子出版市場は同102.7%と引き続き成長し、紙と電子出版を合わせた出版市場全体は同98.4%となった。(数字出典:出版科学研究所「季刊 出版指標」2026年冬号)
・業種別では、「金融・保険」や「官公庁・団体」など前年を上回る業種もあったが、雑誌広告費シェアの高い「ファッション・アクセサリー」は前年比97.8%、「化粧品・トイレタリー」は同92.5%となった。
・出版社のコンテンツ制作力やファンベースマーケティングに関心が高まったものの、通年では前年比96.3%と減少した。SNSなどでのデジタル展開は急成長期からいったん安定期に入り、読者イベントや販促ツール制作といったリアル回帰の動きがみられた。
③ラジオ広告費 1,153億円(前年比99.2%)
・さまざまな音声コンテンツを届ける音声メディアへの関心が引き続き高まっており、デジタルオーディオ広告は増加したものの、地上波ラジオ放送における広告市場は、通年で前年を下回った。
・業種別では、「情報・通信」(前年比125.7%)、「流通・小売業」(同120.0%)などが増加した。
④テレビメディア広告費(地上波テレビ+衛星メディア関連) 1兆7,556億円(前年比99.7%)
・テレビメディア広告費全体では、前年並みとなった。
◇地上波テレビ 1兆6,333億円(同99.9%)
・番組(タイム)広告費は、大阪・関西万博や東京2025世界陸上など大型イベントの開催に伴い好調に推移したものの、パリ2024オリンピック・パラリンピックなどの反動減を抑えるには至らず、通年では減少となった。
・スポット広告費は、消費行動の活性化などに伴い、「流通・小売業」「交通・レジャー」「情報・通信」ほかが好調に推移し、前年を上回った。
◇衛星メディア関連 1,223億円(同97.5%)
・BS・CSともに、物価高による買い控えなどでテレビ通販市場が影響を受け、横ばいから緩やかな縮小傾向で推移し、前年を下回った。
(2)インターネット広告費
①インターネット広告媒体費 3兆3,093億円(前年比111.8%)
・前年同様、動画広告が堅調で全体を押し上げたとともに、ディスプレイ広告についても復調の兆しが見られた。特に、SNS上に加えて、インターネット回線を通じてコンテンツを提供するOTTサービス上の動画広告の需要の高まりが寄与した。
・詳細については、本リリースと同時にリリースしたCARTA HOLDINGS(カルタホールディングス)、電通、電通デジタル、セプテーニの4社共同発表の「2025年 日本のインターネット広告媒体費 詳細分析」を参照。
URL: https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011004.html
・マスコミ四媒体由来のデジタル広告費 1,651億円(インターネット広告媒体費の一部、同108.6%)
引き続き好調を維持し、前年を上回った。
・新聞デジタル 191億円(同97.9%)
官公庁・金融・ECサイトやBtoB企業の出稿が目立ったが、新聞デジタル以外の動画広告への予算シフトなどの影響もあり、引き続き前年を下回った。予約型広告は、ターゲティングによるディスプレイ広告や新聞広告に連動した商品、タイアップなどを中心に堅調だったものの、運用型広告は、PV(ページビュー)数の減少や単価低下の影響を大きく受けた。
・雑誌デジタル 615億円(同96.5%)
タイアップやオウンドメディア支援などのコンテンツ制作力を生かした領域は、引き続き底堅く推移したものの、運用型広告の単価下落やプラットフォーム側のアルゴリズム変更や、ユーザーのAI検索行動によるPV数の伸び悩みなどが影響し、前年を下回った。
・ラジオデジタル 38億円(同111.8%)
前年に続き、podcast(ポッドキャスト)をはじめとする音声メディアでのデジタル展開が注目され、二桁成長となった。また、ターゲットに合わせた出稿が可能なデジタルオーディオ広告への新規出稿数が増加した。
・テレビメディアデジタル 807億円(同123.4%)
「テレビメディア関連動画広告」が805億円(同123.3%)と、前年に続き大きく増加した。無料テレビ番組配信サービスでは、配信数上位を占めるドラマに加え、バラエティの視聴も増え、特に年末の漫才コンクール視聴数は前年比増となるなど、再生数・ユーザー数ともに過去最高を記録した。スポーツのライブ視聴も定着し、各種大会の視聴数も増加した。インターネットテレビサービスは、人気のリアリティショーやアニメなどにより、ユーザー数の定着がみられた。
②「日本の広告費」における「物販系ECプラットフォーム広告費」 2,444億円(前年比112.5%)
・前年は緩やかな成長にとどまったが、2025年は二桁成長となり「再成長の局面」を迎えた。
・物価高騰に対して、実質負担を抑える節約(セール、ポイントバックなど)を志向する生活者へのアプローチが増加した。
③ インターネット広告制作費 4,922億円(前年比104.0%)
・インターネット広告全体の成長に伴い、制作需要も前年に続き拡大した。
・中でも、ブランディングから購買、CRM(顧客関係管理)まで広い領域で動画活用が進み、動画関連が引き続き伸長した。









