電通、「2025年 日本の広告費」を発表
(3)プロモーションメディア広告費
①屋外広告 3,042億円(前年比105.3%)
・飲料、情報・通信を中心に、多くの業種で屋外広告利用が目立つなど、好調に推移した。
・短期看板は、繁華街に設置の大型ボードを中心に、SNSでの拡散を意識したインパクトのあるOOH展開が数多くみられた。屋外ビジョンは、引き続き渋谷・表参道など都市部繁華街の引き合いが活況であった。
・ネットワーク型のデジタルOOH媒体については、広告取引や配信を自動化するプログラマティックDOOH(デジタル屋外広告)が本格普及の段階に入り、小売・流通業の店舗内サイネージなどリテールメディアへの連携も加速した。
②交通広告 1,736億円(前年比108.6%)
・インバウンド需要の高まりで全国的に増加し、特に関西圏では、大阪・関西万博の開催に伴い、駅の大型デジタルサイネージが多く新設されるなど、大きく増加した。
・鉄道は、車内ビジョン、中づり、ステッカーなどの車両内の媒体が前年を上回った。駅媒体は、引き続き大型デジタルサイネージへの出稿需要が高く、大都市を中心に駅のデジタルサイネージ新設の傾向が続く。
・バスは、大都市圏ではバス車体広告やバス停広告のニーズが強かった。一方、ローカル圏はバスの車体数の減少で広告出稿も減少傾向だった。
・空港は、インバウンド需要の拡大により、デジタルサイネージを中心に前年を上回った。
・タクシーは、AI関連サービスの訴求活性化でBtoB企業による出稿が増加したほか、BtoC企業の出稿も拡大。またコンテンツを活用した番組セールスも好調に推移し、大幅な増加となった。
③折込 2,354億円(前年比96.4%)
・新聞購読率の減少や人件費、配送コストの高騰に伴う媒体単価の値上げの影響を受け、出稿量が前年を下回った。
・物価高の影響で節約志向が続く中、地域密着型店舗や高齢層向けの商材・サービスを中心に、訴求型広告としての活用がみられたほか、2025年7月の第27回参議院議員総選挙に伴い出稿が増加した。
・業種別では、通信販売業、会員制個別宅配、旅行・宿泊業などが増加し、リサイクルショップや買い取り業も引き続き好調に推移した。一方、教育・教養や自動車販売業などは減少した。
④DM(ダイレクト・メール) 2,708億円(前年比94.6%)
・2024年10月の郵便料金改定などの影響で発送数や媒体を見直す動きもあり、前年を下回った。
・通販系企業を中心に、単発のキャンペーンタイプDMから、受け手とのコミュニケーションに配慮した商品同梱型のパーソナライズDMへの移行がみられた。
・圧着はがきタイプのものから、ターゲットを絞った高付加価値タイプのDMと、QRコード・動画などを利用したオンラインでの完結が可能なデジタルとのハイブリッド運用がさらに進化した。
・通販系企業を筆頭に、高額商品や金融サービス、小売、通信などのDMが多かった。
⑤フリーペーパー※ 1,056億円(前年比80.9%)
・デジタル移行などに伴う休刊や廃刊により、減少した。
・冠婚葬祭や住宅・不動産関連の業種は増加傾向にあったが、求人情報関連は減少した。制作原価や人件費の高騰で広告単価を上げる動きもみられたが、出稿件数の減少などが影響した。
・地域経済に密着した生活情報に関するニーズは高く、デジタル施策との連動による企画商品で、新規広告主の獲得を目指す動きもみられた。
※フリーペーパーは、タブロイド判タイプのフリーペーパー・雑誌タイプのフリーマガジン・電話帳の総称。
⑥POP 1,540億円(前年比103.8%)
・実店舗での購買行動の増加で、消費者との直接のコミュニケーション接点となる売り場のPOPが増加した。特に売り場訴求の要求が高い食品や日用品などは、物価高による価格改定への対応もあり、売り場戦略の強化が進んだ。
・一方、ECや流通業が持つメディアへの移行や、紙・資材などのコスト増、環境対策なども鑑み、広告主サイドの販促予算が抑制される動きもみられた。
⑦イベント・展示・映像ほか 4,748億円(前年比111.2%)
・2025年は大阪・関西万博やJapan Mobility Show 2025、東京2025世界陸上など大型イベントの開催が重なり、二桁成長となった。
・また、大型商業施設、ホテルなどの新装・改装、都市再開発による需要増も大きなプラス要因となった。
・さまざまな企業がリアル体験の有用性を再確認し、イベントや展示により顧客接点を創出する動きが活発化した。単なる商品展示から、商談の質を高めるためのコミュニティ形成やテクノロジーを駆使した高度な体験設計が重視される場へと役割がシフトした。
・一方、人件費や物流費、材料費などの高騰により、引き続き厳しいビジネス環境にあることは変わらない。
・シネアド(シネマ・アドバタイジング)は、邦画の大ヒット作がけん引し、前年を上回った。
【その他、広告関連市場】 ※「日本の広告費」市場には含まれない
・商業印刷市場 1兆7,500億円(前年比99.4%)デジタル広告の拡大で紙媒体を取り巻く環境は厳しかったが、原材料費や物流費などの高騰により価格転嫁は進んだ。短納期、小ロット、可変データといった需要の増加で、さらにデジタル印刷の導入が加速し、印刷業各社のデジタル対応力の差が受注を左右する局面となっている。
・ポスティング市場 1,497億円(前年比101.1%)
地域を限定したポスティングなどは都市圏を中心に伸長した。リサイクルショップや買い取り業をはじめ、官公庁・自治体の広報関連、飲食・小売業、不動産・住宅設備など、他媒体の補完機能としても幅広い業種で活用された。人手不足や環境問題などへの対応のため、事業者の再編が進んだ。
・DM制作関連市場 1,121億円(前年比100.2%)
DM発送数は減少したものの、資材高騰などにより制作周辺領域の関連市場は前年並みとなった。ウェブ誘導型の低コストDMと、高額商品やBtoB向けのプレミアム型DMの二極化が進んでいる。
<業種別広告費(衛星メディア関連を除くマスコミ四媒体のみ)について>
「官公庁・団体」「エネルギー・素材・機械」「教育・医療サービス・宗教」「ファッション・アクセサリー」など8業種が増加した。
インターネット広告費の詳細分析は下記より










