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サイバーエージェント、アサヒ飲料・ロッテらとAIを活用した価格設定に関する実証実験を実施

サイバーエージェント
サイバーエージェントのAI事業本部は、一般社団法人リテールAI研究会において価格最適化分科会を立ち上げ、アサヒ飲料株式会社、株式会社エム・データ、日本製紙クレシア株式会社、株式会社リテールパートナーズ、株式会社ロッテと共同で、価格設定に関する実証実験を実施いたしました。この結果、経済学の活用による最適価格決定の可能性を示しました。

実験の概要

本実験では、アサヒ飲料株式会社、日本製紙クレシア株式会社、株式会社ロッテのメーカー3社が提供する各商品に対して、通常価格と通常価格より高い価格、低い価格の3パターンで店舗ごとに異なる価格を設定することで、設定価格の違いによる販売個数の変化を観察しました。

<実験概要>

実験期間 2024年3月6日~4月5日
実験店舗 福岡県、山口県、広島県のアルク  計43店舗
対象商品 ・ウィルキンソン タンサン 500ml
・スコッティファイン3倍巻キッチンタオル2ロール
・のど飴袋 102g

<各社の役割>

株式会社リテールパートナーズ 店舗提供/ 商品売価の変更、POSデータの提供など
アサヒ飲料株式会社 商品提供/ ウィルキンソン タンサン500mlの売価変更調整など
日本製紙クレシア株式会社 商品提供/
スコッティファイン3倍巻キッチンタオル2ロールの売価変更調整など
株式会社ロッテ 商品提供/ のど飴袋 102g の売価変更調整など
株式会社エム・データ データ提供/ 商品のTVCMデータ及びTVメタデータ*の提供など
株式会社サイバーエージェント データ検証/ 実験設計、データ分析、最適価格推定モデル作成など
一般社団法人リテールAI研究会 実証実験のための各種調整/定例ミーティング開催など

* TV番組やCMにおける対象商品に関連する露出回数やタイミング、またその放送内容に関するデータ(価格変更のみによる効果確認のため、TV露出影響での商品売上要因除外を目的とした利用)

価格の違いによる検証においては、経済学(因果推論)のアプローチを活用することで、季節トレンドやチラシ等、価格変更以外の影響を除去し、価格変更のみの影響を検証しております。

その上で、実験期間における価格ごとの販売個数の変化や過去の販売データを活用し、売上を最大にする最適価格を推定するAIモデルを作成しました。

実験の結果

この実験により、勘と経験に頼らない実験ベースでの最適価格検証の可能性を示しました。
また、通常価格よりも約15%値上げをすることで、売上が約12%向上する見込みがある商品が発見できた事例もあり、商品ごとの価格弾力性を実験的に捉え、効果的に価格を変動させることが、売上増加につながることを明らかにしました。

今後は、粗利を最大化する価格決定への拡張に向け、さらなるデータの取得や分析を推進する予定です。

本実験の肝となる実験店舗の提供や売価変更調整などにご尽力いただいた株式会社リテールパートナーズの宇佐川 浩之常務取締役からは
「プロジェクトに参加できたことを光栄に思います。実験の結果、値上げした方が良い商品とそうでない商品が発見できたことは大変興味深いです。経済学を用いたデータ分析の重要性を認識でき、今後のビジネス戦略に活用できると確信しています。」
とコメントをいただいております。


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