【ポストクッキー時代の前提知識を図説】今後広告に使用できなくなるデータとクッキーのお話
大人気のターゲティング広告が危機!?
デジタルマーケティング業界の方は、「広告でクッキーが今後使えなくなる」という噂や記事を見聞きしたことがあるという方が多いと思います。
実際にSafariは既にITPというクッキーをターゲティング目的に使用できない仕組みを実施しており、Chromeでも2022年までにという話は上がっています。
クッキーとは簡単にいうと、ターゲティング広告をする際に、ユーザーをWEB上で判別するための識別子のようなものです。詳しくはこちらの記事も合わせてご覧ください。
つまり、本当にクッキーが使えなくなってしまうのであれば、そもそも大人気のターゲティング広告自体が行えなくなってしまう可能性があるわけです。
今回はそんなクッキーなき時代に備えて、どんなデータが影響を受けるのかの前提知識を復習します。
すべてはユーザーの同意から
そもそもクッキーに限らず、欧州のGDPR、カリフォルニア州のCCPA、そして日本では個人情報保護法の改正でデジタル上での個人情報に関するデータは、利用する際にユーザーの同意が必要になります。
クッキーももちろんそのデータにあたります(個人情報かどうかは定義が異なります)が、クッキー以外にもユーザーの同意がなければどのような個人情報に関するデータは使えないと覚えておくと危ない橋を渡らずに済みます。
クッキーはWebの世界
クッキーはWeb(ブラウザ)の技術であるため、アプリは対象外です。もちろんアプリであっても個人情報に関するデータは同意が必要ですが、クッキーの議論とは関係はありません。
ただアプリもiOS14以降はIDFAという広告に活用する識別子が同意がないと使えなくなるなどの技術的な制約は今後出てきそうです(2020年9月現在)。
技術的に規制されるのは3rdParty
「クッキーが使えなくなる!」というメインの議論は、このブラウザの技術的な制限による話になります。
ただすべてのクッキーではなく、対象は3rdPartyCookieと呼ばれる、今見ているサイト以外のドメインから焼かれるクッキーについてのみになります。
この3rdPartyCookieは、既にSafariやFireFoxでは技術的に制限されており、Chromeも2022年までに規制をすると表明しています。
一方で、自分のサイトのドメインから焼かれる1stPartyCookieは引き続き利用ができます。ただ、一般的にはログインなどで使われる技術であるため、どこまで広告転用が今後されていくかは未知数です。
まとめ:同意がないデータと3rdPartyCookieとお別れしよう
「クッキーが使えなくなる」という言説自体は、一部使えるものは残るので嘘にはなりますが、今後広告に活用できるデータが大きく制限されるということは事実です。
既にユーザー同意を獲得・管理をするためのCMPというツールが普及し始めていますが、今後ますます同意を得るための工夫が必要になると思います。
また、これまでのように外部の会社が獲得した3rdPartyCookieを利用することが難しくなるため、自社できちんとデータを獲得し分析・管理する体制が競争力になっていく可能性もあります。
ユーザーにとっては、自分のデータの扱いが明確になり、不本意なターゲティングをされずに済む可能性もあるため、WEB全体を考えるとネガティブな変化ではないと思います。
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