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博報堂マーケティングシステムズ、行動経済学を活用したコミュニケーションシナリオ設計サービス 「デジタルナッジ™」を提供開始

 デジタルマーケティング事業を展開する株式会社博報堂マーケティングシステムズ(本社:東京都港区 以下、HMS)は、慶應義塾大学 経済学部・大学院経済学研究科 星野崇宏教授(以下、星野教授)を技術顧問に迎え、行動経済学の知見を活用した、コミュニケーションシナリオ設計~制作~効果検証までをワンストップで提供する「デジタルナッジ™」を開発いたしましたのでお知らせいたします。


 昨今、デジタル上のサービス設計、UI/UX設計、コンテンツ企画、CRMなどでデータを活用した改善アプローチが一般的となってきています。しかし、一定の成果は認められるものの改善が頭打ちになってしまう、ユーザーが思う通りに動かずに狙った効果を得られないなど、様々な問題が散見されます。その要因として、データだけに捕らわれてしまい生活者に対する真の理解が進んでいない事が挙げられます。

 今回開発した「デジタルナッジ」は、行動経済学の知見である、本来ヒトが無意識的に持っている心理や行動の特性を活用し、生活者のデジタル上での行動を設計していく、今までにないデジタルマーケティングの手法です。行動経済学は、近年その応用に注目が集まっており、世界各国の政府機関でも政策の効率を高める為に活用が広がっています。

 本サービスは、膨大な研究で実証されてきた行動経済学の理論をインプットとすることで、データだけに頼ったアプローチでは辿り着けなかった最適解を導く事が可能となります。改善に行き詰まっているデジタル上の様々な施策に対して、新しい観点からのアプローチが期待できます。

 HMSでは、今後も本質的な課題解決を目指して、デジタルマーケティングの仕組み作りと施策実行をワンストップで提供してまいります。

<ご参考資料>
■「デジタルナッジ」と従来型のアプローチとの違い

博報堂マーケティングシステムズ
 データ分析に基づいた仮説立案~コミュニケーション設計のプロセスに、行動経済学の知見である、ヒトの心理・行動特性をインプットととして加えることで、仮説の精度を高め、効果を出しやすいコミュニケーションシナリオを導く事ができます。

 行動経済学の理論は、実は身近な仕組みにも散見されます。例えば、今では一般的となったECサイトのレビュー機能は、行動経済学の観点からみると、バンドワゴン効果(ある製品やサービスに対し、大勢の人がそれを支持している場合、その製品やサービスへの支持がよりいっそう高くなる)の理論が用いられています。マーケティングファネルでは、「比較検討」のプロセスを踏む行動が当たり前だと認識されていますが、レビュー機能はユーザーに納得感を提供することで、比較検討のプロセスを短縮させた購買行動を誘発します。このような施策は、データ分析だけでは生み出すことができない、ヒトの本質的な特性の理解に基づくものといえます。

本サービスの詳細: http://www.hakuhodo-ms.co.jp/service/digital_nudge/index.html

■星野 崇宏教授 プロフィール

2004年3月東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。博士(経済学)。シカゴ大学客員研究員、ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院客員研究員などを歴任。
45歳未満の研究者に政府が授与する最も権威のある賞である日本学術振興会賞を受賞(2017年)。ほかに日本統計学会研究業績賞、日本行動計量学会優秀賞、日本心理学会国際賞、慶應義塾大学義塾賞など受賞多数。
行動経済学会常任理事。マーケティング・サイエンス学会理事。
経済産業省ナッジプロジェクト有識者委員。

星野崇宏教授HP: https://researchmap.jp/read0077211/

■星野崇宏教授のコメント
 デジタルマーケティング領域ではAIやビッグデータの活用に注目が集まっていますが、最近ではデータドリブンの改善活動や仮説のないA/Bテスト疲れを感じておられる企業も多いと聞きます。なぜなら改善には無限の組み合わせがある一方、実際にできることには限度があり、またたとえ結果が良かったとしても「なぜ良かったのか?」が説明できないと他のサービスにも転用できませんし、再現性があるのかはわかりません。何より説明に困るというのでは上司やクライアントに報告するにも困りますよね。
 データだけ見ていると忘れがちですが、ネットの先にいるのはリアルな生活者・ユーザーです。行動経済学や心理学のこれまでの膨大な研究知見からは、生活者・ユーザーの行動や認知には一定の傾向(バイアス)があることやそのメカニズムが分かっています。欧米ではそれらのバイアスを考慮したマーケティングは昔から行われていましたが、ネットで大量に実験が行えるようになり、“どのような生活者に”“どのような状況で”“どのようなナッジが有効か”の知見が溜まってきています。
 仮説のない探索的な検証でなく、膨大な先行知見の“巨人の肩”に乗り、精度の高い仮説に基づくデジタルナッジは「なぜ?」の問いにも答えることができ、運用もシンプルにしつつ効果を高めるのに有用だと考えます。


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