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ビデオリサーチ、オルツ社と共同でAIで作られた「デジタルクローン」からの回答取得が可能に

ビデオリサーチは、 P.A.I.(パーソナル人工知能)※1を開発する株式会社オルツと共同で「デジタルクローンアンケートシステム」の実証実験を実施し、第一弾の成果としてアンケートモニター(実際の調査回答者)を再現したデジタルクローン(仮想の調査回答者)を生成することに成功いたしました。

オルツ社のデジタルクローンに、ビデオリサーチが保有するアンケートモニターの性年齢・職業・収入等のデータを組み合わせることで、企画段階での番組視聴者の評価予測や、これまで調査をすることが難しかった詳細なターゲットに対する評価把握も可能になります。実証実験の段階ですが、さまざまな課題解決への応用を検討し、実働化を目指して研究開発を進めてまいります。

■AIにより、アンケートモニターのデジタルクローン(仮想の調査回答者)の生成に成功
AI技術を活用した次世代のマーケティングリサーチ手法を『リサーチ4.0』※2と位置づけ、その実現へ向け2021年2月よりオルツ社と共同研究を進めてまいりました。 *参考:2021年02月18日プレスリリース
その成果として、当社の保有するアンケートモニター(実際の調査回答者)から取得したデータを元に、それらを再現したデジタルクローン(仮想の調査回答者)の生成に成功いたしました。オルツ社の「Nulltitude(ナルティテュード)」※3を通じてデジタルクローンにアンケートを実施し、安定して回答が得られることも確認できています。

デジタルクローン

■企画段階での番組評価の予測や、詳細なターゲット反応の確認が可能に
今後は、多様な設問形式への対応や文章による自由回答の生成を目指して、引き続き開発を進めてまいります。たとえば、番組の企画段階で視聴者の評価を予測し、制作に反映させることで、より視聴者に評価される番組制作が可能になると考えています。

デジタルクローン

また、多様な特徴を持つ大量のデジタルクローンを生成することで、これまで調査をすることが難しかった詳細なターゲット(例:TikTok好きな女性 / サブスクに加入している若年層 など)の反応を確かめることも可能となります。
さらに、自由回答を得られるデジタルクローンであれば、一定の回答をしたサンプル(例:番組に高い評価をした人 / 視聴意向が低いと回答した人 など)に評価の理由や視聴した感想を追加で質問し、結果をさらに深堀することもできます。
デジタルクローンへの調査であれば、従来の手法と比べ実施にかかる時間やコストを抑えることが可能なうえ、クローンは個人情報を保持しないため、市場調査が抱えるプライバシー保護の課題もクリアした手法と言えるでしょう。

これらの活用はいずれも大量のデジタルクローン生成が実現した将来に見込んでいる内容で、現時点ではその第一歩として、一部のアンケートモニターのデジタルクローンを生成し回答取得が可能になった段階です。
ビデオリサーチでは、今回得られた実証実験の結果をオルツ社と共に深く分析・研究し、改善を施したうえで、引き続き研究開発を進めてまいります。成果につきましては、今後も随時情報を発信いたしますのでご期待ください。

※1 P.A.I.(パーソナル人工知能)
「P.A.I.(パーソナル人工知能)」とは、私たち自身の意思をデジタル化し、それをクラウド上に配置してあらゆるデジタル作業をそのクローンにさせることを目的としたAIです。(「P.A.I」はオルツ社の登録商標です。)
※2 リサーチ4.0
AIによるデジタルクローンに代表される、新たな技術による次世代型のマーケティング技術、リサーチ技術。ビデオリサーチでは、「リサーチ1.0」=「人的対面調査」、「リサーチ2.0」=「PCインターネット調査」、「リサーチ3.0」=「ログ、センシングデータ」と位置付けています。
※3 Nulltitude(ナルティテュード)
Nulltitudeは、人間個人のデジタルクローンの群がアンケート調査に回答するAIクローンアンケートシステムです。 オルツ社の開発した、人間の思考や個性の特徴量を抽出する「Alt Clone Modeling Engine(オルツ・クローン・モデリング・エンジン)」が、元となる実際の人間のライフログを学習素材としてその思考をクローンします。ここで生成されたデジタルクローンに対してアンケートを実施すると、その元となった人間の思考を反映した回答を得られます。これを複数のデジタルクローンに実施し、集計を取ってアンケート実施者に返す仕組みです。


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