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博報堂DYホールディングス、「AIと暮らす未来の生活調査」を実施

博報堂DYホールディングスは、全国の15~69歳の生活者を対象に「AIと暮らす未来の生活調査」を実施しました。今回、AIに対する現状の生活者意識や利用状況などに加え、将来的な期待や意向などを明らかにすることで、やがて来たる「AIと暮らす未来」のあり方を探ることを目的に調査を行いました。以下、調査結果の要点について発表されたものです。

全体サマリー

・生活者全体の7割が「AIに期待を感じる」と回答、利用層では9割にのぼる
・AIのある未来、「交通の流れ最適化」、「苦手な勉強の補助」、「AIパーソナルドクターによる肉体的・精神的ケア」を望む人が8割
・AIの存在は、現在は便利な「サービスマン」「アドバイザー」のイメージが強いが、将来では「自分の一部」「仲間」「家族」など心理的に近しい存在への期待感が高まる

 

調査結果サマリー

1)AIに関する現在の状況

・生成AI関連サービスの認知は28.7%で推定2201万人、月1回以上の利用者(利用層)は8.0%で推定611万人。

・利用層の平均年齢は38.8歳。性年齢構成では、全体と比べ10~30代男性の比率が高い。
・AIの利用用途は「翻訳作業」(46.3%)、「情報収集・処理・まとめ」(43.3%)、「エンターテイメント・暇つぶし」(41.1%)が上位に。

 

2)AIに関する将来の期待

・AIに期待を感じる生活者は全体で73.7%。利用層では93.1%とさらに高い。

・今後AIを使ってできると面白いと思うことは、「AIにわからないことを質問・相談する」(19.7%)が最も高いが、自分の興味や能力の拡張を期待する項目も上位に並んだ。

・AIに関する未来シナリオへの評価は、「情報」「教育」「健康」など複数分野のシナリオが支持された。利用層ではさらに期待が高い結果となった。

・AIが将来どのような存在になってほしいかについては、「自分の一部」「仲間・バディ・相棒」「家族」など、気持ちの面でもより自分に近い存在としての期待感が高まった。

・AIを使うことで伸ばしたい能力は「言語能力/語学力」(37.1%)、「学習能力」(28.6%)、「プログラミング能力」(26.5%)が上位に並んだ。

 

【調査概要】

・ 調査名称:「AIと暮らす未来の生活調査」

・ 調査方法:インターネット調査

・ 調査時期:2023年10月

・ 調査地域/対象者:全国 15~69歳の男女

・ 調査機関:株式会社マクロミル

・ 有効回答数:2,400人

・ 分析/集計機関:エム・アール・エス広告調査 ※集計結果は事前調査結果出現率により算出

 

調査対象のサービスや本調査における各名称の定義は、プレスリリースファイルをご覧ください。

 

【調査結果詳細】

1)AIに関する現在の状況

① 生成AI関連サービスの認知、利用経験

生成AI関連サービスを1か月に1回以上利用している人(利用層)は全体の8.0%となった。

また、利用層も含めて、生成AI関連サービスの認知層は全体の28.7%となった。

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② 各AI関連サービス利用層の性年齢・ライフステージ構成

生成AIサービス利用層(利用層)の平均年齢は38.8歳。性年齢構成をみると、各AI関連サービス利用層において、全体と比べて10~30代男性の比率が高い。画像系AIサービス利用層は10~30代の男性が全体の約4割を占める。また10代後半[h1] [h2] 女性が11.1%、20代女性が10.5%と、若年女性の高さも目立つ。

ライフステージとしては未婚男性が最も多いことがわかった。

 

③ 利用層の生成AI関連サービスの利用用途

利用層に実際の利用用途を聞いたところ、月1回以上の利用で「翻訳作業」が1位(46.3%[平出3] [平出4] )となり、次いで「情報収集・処理・まとめ」(43.3%)、「エンターテイメント・暇つぶし」(41.1%)と続く。5位に「対話での情報検索」(35.3%)、11位に「アイデア出し/ブレインストーミング」(27.4%)、12位に「話し相手・相談」(26.8%)、など生成AIならではの利用用途も多く並んだ。

 

④ 有料でのAI関連サービス利用状況

全てのAI関連サービス利用経験者に対して、利用しているAI関連サービスについて有料で利用したことがあるか聞いたところ、有料で利用経験のある人は21.7%となった。

有料利用経験者に年間利用額を聞いたところ、「動画の作成」が最も金額が多く平均45,614円、次いで「業務の効率化」で平均35,937円となった。

 

⑤ AIの仕事・学業での利用とプライベートでの利用の割合

AI関連サービスを仕事や学業、またはプライベートで利用する場合、どのような割合で利用しているか聞いたところ、プライベートでの利用が100%と答えた人が41.2%、プライベートでの利用が75%を占めると答えた人が17.3%に上る結果となった。プライベートでの利用のほうが多い利用者が58.5%と過半数を占めた。

 

2)AIに関する将来の期待

① AIへの期待度

AI技術全般への期待について聞いたところ、AIに「期待を感じる」との回答は全体で73.7%。

利用層では93.1%と、9割を超える結果となった。

 

② 今後AIを使ってできると面白いと思うこと

今後AIを使って何ができると面白いと思うかを聞いたところ、全体での1位は「AIにわからないことを質問・相談する」(19.7%)となった。2位の「AIが自分の趣味範囲を広げてくれる」(17.0%)、3位の「AIの助けによって自分が苦手なことにもチャレンジできる」(14.7%)、7位の「AIが自分の得意な領域をさらに伸ばしてくれる」(13.3%)など、AIが自分の興味や能力を広げてくれることに期待する声も上位に並んだ。

利用層では1位・2 位は全体と同じものの、「AIで、創作・表現をして楽しむ」(24.7%)、「AIを自分のアシスタントにして仕事をする」(24.3%)、「AIを教師にして勉強する(学ぶ)」(24.0%)など、より具体的な目的にAIを活用しようとする回答が上位に並んだ。

 

③ AIに関する未来シナリオへの受容度

人間とAIが共存していく中で、将来的に起こりうる様々な「未来シナリオ」を提示し、望ましい将来と感じるかを聞いたところ、様々な領域でのシナリオが支持された。全体では「AIの情報とスマートシティ技術を組み合わせ、交通の流れを最適化し、渋滞を軽減する」(77.5%)、「勉強の苦手な部分をAIが過去にさかのぼって診断し、苦手を無くしてくれる」(75.7%)などが上位に並んだ。

利用層もほぼ同様の傾向だが、全ての項目でAIの未来シナリオの受容度が高い結果となり、「AIのパーソナルドクターが、人間が気づかない肉体的・精神的なケアをサポートしてくれる」(85.5%)が最も支持された。

 

④ AIは現在どのような存在か、将来的にどんな存在になってほしいか

現在のAIは例えるならどのような存在かを聞いたところ、「面倒なことを処理する作業員、事務的な職員、サービスマン」(61.6%)、「自分向けのおすすめや疑問を解決してくれるアドバイザー」(61.1%)との回答が多く、AIを「便利」な存在として捉えている様子がうかがえた。3位に「得体の知れない、怖い存在」(56.6%)も入っており、AIとの距離感も垣間見える。

合わせて、将来的にAIがどんな存在になってほしいか期待についても聴取した。1位と2位は現在と同じ結果となったが、現在と将来の差分に着目すると、増加の大きさ順に「自分を強めてくれる自分の一部分」(11.3pt増)、「一緒に目標を達成する仲間・バディー・相棒」(9.7pt増)、「安心できる家族」(9.6pt増)となった。AIに対する、気持ちの面でもより自分に近い存在としての期待感がうかがえる。

 

⑤ AIを使いこなせたら伸ばしたい能力

もしAIを使いこなせるとしたら、どんな能力を伸ばせると思うかを聞いたところ、全体の上位には「言語能力/語学力」(37.1%)、「学習能力」(28.6%)、「プログラミング能力」(26.5%)が並んだ。

利用層のほうが全項目で高く、上位3項目は全体と同じ順だが、4位に「アイデア発想・創出力」(36.7%)が入り、利用層はAIの創造性に対する期待が高いことがうかがえる。


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