【レポート】Criteoの事業戦略説明会に参加してきました
2/20(金)にアンダーズ東京で開催されたCriteoの事業戦略説明会に参加してきました
1.事業概況
まずは、事業概況についてCriteo株式会社の代表取締役上野氏より説明がありました。
以下がそのサマリー内容となります。
・売上高2014年度 1006億円
・欧州発のCriteoですが、南北アメリカも順調に伸び始めおり、南米ではブラジルが特に好調
・配信先の媒体社は9000社以上
・広告主数は7190社(2014年で2000社以上増加)
−継続率90%以上
・ネット売上高 2015年予想585億円〜599億円
・オフィスは世界23箇所まで拡大
−日本では昨年9月に大阪に開業しました
・昨年からCTR偏重モデルに加え、CVR偏重のモデルも加わり、アルゴリズムが更に強力に
―今年はコンバージョンだけなく購入金額(Sales)で予測
―旅行会社ではROIが2倍以上改善された
・今年は、モバイル・ネイティブだけでなくemailにも進出
・2017年には1人5つ以上のデバイスを持つと予想されているためクロスデバイスにもさらに注力
ECに特化したリターゲティング広告サービスのトップ企業としてのイメージが定着しているCriteoですが、そこの位置に甘んじず、さらにエンジンやサービスの幅を拡大している印象を受けました。トップ企業が新しいことに挑戦し続けることで、国内の競合他社も刺激となり市場自体が盛り上がるのではないかと思います。
2.日本における事業戦略
続いてCriteoの日本の統括を務めている鈴木氏より日本における事業戦略の説明がありました。
まずは、前段にCriteoのシステムや仕組みの概要説明があり、昨年の振り返りと今年の事業戦略の説明がありました。
Criteoの強み:
・強力なエンジンとアルゴリズム
・独自のダイナミックバナー
・Yahoo!Japanを含む多様な配信先と豊富な在庫
・Facebookやモバイルアプリでの配信も始まる
2014年の成果:
・モバイル分野の強化
・シングルパフォーマンス(単一商品EC)バナーの販売強化
・Aquire(直近訪問日時の拡張機能)の販売強化
・SDKによりアプリ内広告対応の拡大
・Criteoでは49%がモバイル経由のコンバージョン(世界でも日本がダントツ)
2015年の事業戦略:
大きな柱として、「クロスデバイス」と「エンジンのさらなる精度向上」を掲げていました。
■クロスデバイス
―Cookieが使用できないことの克服
―デバイス間のCookieを裏側でひもづけるて「完全一致方式」を採用
1.完全一致方式
―固有の識別子
―オプトアウトが可能
2.統計的推計方式
―ボリュームは増えるが誤判定やオプトアウトに課題
完全一致の仕組み
―広告主から識別子IDを共有してもらいCriteoのCookieとひもづける
―7000を超える広告主から識別子を共有してもらうことでスケールの課題も克服
Criteo Emailも今年後半開始
―それに伴い透明性について改めての強化
―デバイスごとのオプトアウト、広告ごとのオプトアウトも実現している
■エンジンの改善(コンバージョン最適化)
―CRO、COS(Cost of sales)での最適化を推し進める
―タグを5階層にわけて広告主に実装してもらい、50以上の変数を組み合わせて実現
―コンバージョンしたユーザの動向をシードに予想を組み立てる
COSの実績:
―ECサイトで1割、旅行サイトでは2割の単価上昇
―売上高は5%以上の上昇
CRO実績
―コンバージョン数が、平均して3割の増加
全体を通して
かつてはCriteoといえばクリック最適化のイメージがありましたが、昨年からコンバージョン最適化のイメージが強くなったという印象です。
米国を中心にFraud Clickが大きく問題視されてている中、コンバージョンという確実な数字で成果を出していることが業績成長の鍵になっているのだと思います。
また、2015年はさらにエンジンを進化させて、単純なコンバージョン数だけでなく、より高い単価で購入しそうなユーザを予想し広告を展開するモデル(COSO)も投入予定とのことで、他のリターゲターよりも一歩先を進んでいる状況でした。
会場の様子