ユーザベース、クオーツ事業撤退で特別損失88.5億円を計上へ
ユーザベースは、米国メディアのクオーツ事業の撤退を正式に発表しました。今回の事業撤退によって特別損失88.5億円を計上するこもと合わせて発表されました。
2018年に買収
2018年7月に、米国を中心にグローバル展開する経済ニュースメディアを運営するQuartz社を買収しました。Quartz社買収後、既存事業である広告事業に加えて有料課金事業の立ち上げのための積極的な投資を行い、足下、順調に有料会員数が増加しています。
撤退の理由
年初来、新型コロナウイルスの感染拡大により、米国を中心に企業の広告出稿を抑制する動きが強く、2020年5月14日には広告事業を中心としたリストラクチャリングの実行を決定し、
広告市況の回復状況を見ながら事業運営を行ってきましたが、足下、当初想定した事業計画を達成することが出来ていません。
今後も米国の広告市況の見通しが不透明であること、買収当初に掲げた3年間で黒字化させるという目標の達成が困難な状況になっている事を踏まえ、同社の投資に関する規律に従い、同社グループの経営資源をより高い成長が見込めるSPEEDA事業とNewsPicks事業に集中させるべく、QuartzIntermediate社の全株式を譲渡し、Quartz事業から撤退することを決定しました
特別損失88.5億円
今回のQuartz事業からの撤退による今期に計上される最終損失は約5,810百万円になる見込みです。撤退による損失のうち、2020年12月期連結財務諸表において、特別損失として約8,850百万円(2020年12月期第3四半期連結累計期間において、7,827百万円を減損損失として、また2020年12月期第4四半期連結会計期間において約1,023百万円を子会社株式売却損として計上する見通しです。)を計上する一方で、本譲渡に係る税効果により繰延税金資産が約3,040百万円生じる(法人税等調整額が△3,040百万円生じる)見込みです。
これらの結果を踏まえ通期予想では純損失68.9億円になることが発表されました。
どうなるユーザベースの米国事業
ユーザベースの米国進出の足がかりとして2018年当時は大きな注目を集めた本事業でしたが、2年余りで巨額の損失を残しての撤退となりました。先細る国内市場から海外市場を取りに行かないといけないのはどの企業も同じ状況ではありますが、これで同社の海外戦略は振り出しに近い状態に戻るところもあり、今後の一手に注目が集まります。