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テレビ東京HD、24年3月上期は減収減益 営利は4割減

2023.11.9

テレビ東京

テレビ東京HDの24年3月上期の業績は、売上高は前年同期0.5%減の70,957百万円、営業費用は、2.4%増の68,210百万円となりました。売上高の減少と営業費用の増加により、営業利益は42.0%減の2,747百万円、経常利益も33.1%減の3,304百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は9.4%減の2,982百万円となりました。また、テレビ東京の決算については、売上高が2.7%減の51,997百万円となりました。営業利益は57.3%減の1,496百万円、経常利益は46.9%減の3,431百万円、税引前四半期純利益は30.4%減の4,491百万円となりました。

セグメント別詳細

【地上波・BS放送事業】
地上波・BS放送事業はテレビ東京グループ各社が行う放送事業となっております。
①地上波放送事業(㈱テレビ東京)
放送事業収入(売上高)の合計は4.5%減の36,633百万円となりました。このうち番組提供のスポンサーから得られるタイム収入は、系列局を通じた全国放送(ネット部門)において前年割れとなりました。単発型の広告出稿は飲料メーカーを中心に活況でしたが、アニメ番組や大型営業企画番組が3月末で終了したことにより通常放送(レギュラー番組)の売上が大幅に減少した結果です。一方、首都圏放送(ローカル部門)は、ミニ番組のセールスが好調に推移したことに加え、新しいセールス施策であ
る時報CM企画が決まるなど、前年同期を上回る売上高となりました。特別番組部門においても、「世界卓球」「ゴルフトーナメント」などの大型スポーツ中継や、「テレ東音楽祭2023夏」「SDGsウィークエンド」といった大型特番のセールスで売上を積み上げ、前年同期を超える結果となったものの、ネット部門の落ち込みが影響しタイム収入全体では1.1%減の21,234百万円となりました。

スポット収入は、コロナの5類移行に伴い『交通・レジャー』の広告主からの出稿が回復し、『化粧品・トイレタリー』『金融・保険』などの出稿も増加しましたが、『官公庁・団体』『情報・通信』『外食・各種サービス』などにおいて出稿減となりました。また、個人視聴率の低下傾向が影響し東京地区の広告市場は前年同期比8.6%減と全体的に厳しく、㈱テレビ東京も地区同様に厳しい状況が続いております。特にスタートアップ企業やヒューマンリソース企業など前年シェアの高かった広告主からの出稿が減少したことで、東京地区における㈱テレビ東京のシェアが相対的に低下しました。この結果、スポット収入は11.2%減の12,053百万円となりました。

地方放送局などへの番組販売では、他系列の地方放送局において、スポーツ中継や報道特別番組などの編成が大幅に増加し、全体として番組購入需要が減少する傾向となりました。番組別では、「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」や「タクシー運転手さん 一番うまい店に連れてって!」など販売が好調に推移した番組はあるものの、番組販売収入は2.6%減の2,135百万円となりました。コストの面では、番組制作費が「世界卓球」の5月開催等により増加したものの、放送収入の減少に伴う代理店手数料の減少などにより、放送事業の費用は4.2%減の29,556百万円となりました。前年同期比では、収入が費用に比べ大幅に減少したため、㈱テレビ東京単体の放送事業利益は5.8%減の7,076百万円となりました。

②BS放送事業(㈱BSテレビ東京)
BS放送事業収入(売上高)の合計は7.7%減の7,723百万円となりました。このうちタイム収入は、「世界卓球」をはじめとするスポーツ特番のセールスや今年で4年目を迎えたSDGs特番のセールスが好調でしたが、4月以降の一社提供レギュラー番組の終了などが響き、前年を下回る結果となりました。一方、スポット収入に関しては、単価の高い一般スポンサーの出稿が減った中、商品量を確保して通販スポンサーを中心に効率よくセールスすることができ前年を上回りましたが、タイム収入の落ち込みをカバーしきれず、放送収入全体としては前年を下回りました。

営業費用は、放送収入の減少に伴う代理店手数料の減少や、番組制作費やソフト費等の減少により、前年同期比9.8%減の6,614百万円となりました。以上の結果、費用が収入に比べ大幅に減少したため、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の営業利益は7.4%増の1,109百万円となりました。これらに加えて㈱テレビ東京メディアネットなど放送関連会社の売上を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は4.7%減の45,718百万円、営業利益は76.3%減の581百万円となりました。

【アニメ・配信事業】
アニメ・配信事業は、㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し放送による広告以外に収入を上げている「ライツ事業」や、㈱テレビ東京コミュニケーションズ・㈱エー・ティー・エックスなどのグループ会社が行うアニメのCS放送や音楽関連ビジネス事業を指します。主に海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、インターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入となります。

①ライツ事業(㈱テレビ東京)
当第2四半期におけるライツ事業の収入(売上高)は、1.6%増の15,364百万円となりました。この主軸であるアニメ部門は、「BLEACH 千年血戦篇」のゲームが世界的に好調となったことや、中国でBORUTOのSNSゲームが売上を伸ばしたほか、欧州におけるNARUTOの商品化が堅調に推移するなど海外展開が売上を伸ばしました。また、国内においてもポケットモンスターの商品化が売上に貢献するなど、アニメ部門全体の収入は前年同期からやや増加し、10,072百万円となりました。ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを課金プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、国内配信権販売において、ドラマ・バラエティのアーカイブ作品が好調に推移し、海外においても、アジア地域で「孤独のグルメ」シリーズやバラエティ番組などの番組販売が堅調に売上を伸ばしました。映画は「チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~」等の配信権・放映権販売が好調となり、配信ビジネス部門の収入は6.0%増の4,894百万円となりました。

イベント部門については、「パナソニックオープンレディースゴルフトーナメント」「トリニティアイリッシュダンス」などのオフラインイベントを積極的に開催するとともに、放送や配信と連動したオンラインイベント「田村淳のTaMaRiBa」や「巨大企業の日本改革3.0」も実施しましたが、前年同期には届かない結果となりました。イベント収入は7.7%減の397百万円となっております。ライツ事業の全体の費用は前年同期比で減少しております。これは主に、前年同期に中国配信プラットフォームとの大型契約に伴う配分金が発生した反動減です。以上の結果、ライツ事業の利益は13.4%増の7,231百万円となりました。

②その他アニメ・配信事業
音楽出版関連の㈱テレビ東京ミュージックは、アニメ「SPY×FAMILY」の歴代テーマ曲およびTHE SUPER FRUITSが歌う「チグハグ」がCMに起用されるなど、国内印税が売上に貢献するとともに、欧米地域でのアニメ関連BGMや一般楽曲等の海外印税収入が好調に推移しました。これにより同社の売上高は前年同期比18.3%増の2,081百万円となりました。CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛ける㈱エー・ティー・エックスは、放送売上に関しては、「AT-X」の加入者数が依然として緩やかに減少しているため、減収となりました。一方、前年好調だったライツ売上に関しては、「東京リベンジャーズ」「Re:ゼロから始める異世界生活」などを中心に引き続き好調でしたが、売上高全体では前年同期に届かず、前年同期比2.7%減の1,676百万円となりました。

これらに加えて㈱テレビ東京コミュニケーションズの売上高を合計し、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は2.5%増の20,383百万円、営業利益は4.3%増の2,524百万円となりました。

【ショッピング・その他事業】
ショッピング・その他事業は㈱テレビ東京ダイレクトほか3社が手掛けるテレビ通販やECコマース、グループ全体のサポート事業を指しております。㈱テレビ東京ダイレクトは、「テレビ東京ショッピング」において首かけテレビスピーカーなど新商品の販売が好調だったことに加え、炭八、遮熱クールアップ、ファイテンなど売れ筋商品も堅調で増収となりましたが、「虎ノ門市場」における定期購入の頒布会の落ち込みもあり減収となりました。これにより㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は前年同期比1.1%減の5,579百万円となりました。

㈱リアルマックスは、前連結会計年度の第3四半期末に新たに連結子会社となったため、第2四半期の連結売上高の前年比較においては、純増要因となっております。㈱リアルマックスは、市場トレンドの変化により主力カテゴリーのクラブセットとキャディバッグの販売が大きく減少し、売上高は前年同期比25.2%減の1,277百万円となりました。

これらに加えて㈱テレビ東京システム、㈱テレビ東京ビジネスサービスの売上高を合計して、同一セグメント内取引を調整したセグメント売上高は16.4%増の7,818百万円、営業利益は53.2%減の164百万円となりました。


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