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  • 2020.7.2

ヘッダー入札とは? 〜アプリのマネタイズ方法に見る歴史と仕組み〜

アプリのヘッダー入札とは?

アドテク業界で話題が絶えない広告配信の仕組み、「ヘッダー入札」。

海外に始まり国内へも広がりを続け、現在プログラマティック広告取引における主要な手法の一つとなっています。
この記事では、ヘッダー入札登場の背景を踏まえ、アプリ広告の従来のマネタイズ手法・「ウォーターフォール」との比較とともにヘッダー入札を詳しく分解していきます。

1.ヘッダー入札登場の背景

ヘッダー入札の登場以前のデジタル広告では、数多くの事業者が携わっているにも関わらずそれぞれの業務が分断化されていたほか、後述する「ウォーターフォール」という広告配信方法が主流だったため、入札時の機会損失と非効率性が課題でした。

また、当時Google社が提供するアドサーバー・DFP(DoubleClick for Publishers)※による寡占が海外を中心に多く、広告配信にあたりGoogle社の自社優遇などを疑問視するSSPやアドエクスチェンジが増えたという背景もあり、それを解決する手段としてヘッダー入札が登場しました。

※DFP…利用時には最初に必ずDoubleClick Ad Exchangeへ広告リクエストを送らなければならないという、Google社の広告配信ツール。現在は「Google Ad Manager」に名称変更されている。

2.アプリ広告における主な2つのマネタイズ方法は?

モバイルアプリ広告におけるマネタイズ方法の中で、最も代表的な2つの方法を紹介していきます。

①ウォーターフォール

・仕組み
ウォーターフォールとは、パブリッシャーが過去の実績に基づきアドネットワークやSSP、アドエクスチェンジにフロアプライスを設定しフロアの高い順で広告リクエストを行っていき、フロアプライス(最低落札価格)を上回った最初の事業者の広告を配信する方法のことをいいます。
つまり、”まずA社に問い合わせて、フロアプライスを上回らなければB社、C社……”と巡って配信する広告を決めていくことになります。

・ウォーターフォールのメリット
以前は主流であったウォータフォール型広告ですが後述のヘッダー入札の登場により、特筆するメリットはありません。
特にアプリ内広告においては、ヘッダー入札を利用したマネタイズが主流となりつつあります。

・ウォーターフォールのデメリット
1. パブリッシャーの機会損失
ウォーターフォール方式では、リアルタイムな価格ではなく、過去の実績に基づき設定された価格(フロアプライス)をベースに、順番にアドネットワーク、SSPやアドエクスチェンジへ広告リクエストが送信されます。
そのため、あるインプレッションが発生した際に後ろの順番にある事業者の入札価格の方が高かったとしても、前の順番にいた事業者が落札することになります。
この場合、パブリッシャーにとっては大きな機会損失となってしまいます。

2.レイテンシー(広告表示遅延)
また、インプレッションに対して広告リクエストを順に呼び出し続けるため、レイテンシー(広告の表示が遅れてしまうこと)を起こす場合があります。それによってユーザーにクリックされず、結果的にCTRが下がってしまうということも。

3.工数過多
ウォーターフォール内の各広告事業者の価格や順番の設定を変更することも多く、収益最大化の為のメンテナンスに要する工数が非常に多くなります。

②ヘッダー入札

そんなウォーターフォールの課題を解決する、新たなソリューションとして出てきたのがヘッダー入札です。

・仕組み
広告サーバーに広告リクエストが到達する前に、広告在庫を複数のSSPやアドエクスチェンジに同時に提供し、もっとも価格の高い広告を入札するというプログラマティック取引の手法。
順番に呼び出しが必要だったウォーターフォール式とは異なり、一斉に比較・入札が可能となるため、パブリッシャーの広告利益の向上やレイテンシー(広告表示が遅れること)の解決へ繋がります。

・ヘッダー入札のメリット
1.効率化によるパブリッシャーの利益最大化
今まで順番に検証が必要だったウォーターフォール式の入札方法とは異なり、広告リクエストが一斉に送られ最も高価格の広告が入札されるため、パブリッシャーにとってもっとも効率が良く、利益が最大化された状態で広告を配信することができます。

2.レイテンシー(広告表示遅延)の改善
一斉に広告リクエストを行うことで、順次呼び出す方法の弊害であったレイテンシー(広告表示が遅れてしまうこと)の問題が改善されます。

3.工数の削減
一斉に広告リクエストが行われるので、ウォーターフォールを撤廃することも可能になり工数が削減されます。

4.価格の透明化
ヘッダー入札での広告在庫はシンプルな価格競争で決まるため、パブリッシャーはインプレッションそのものの価格を把握することができます。

・ヘッダー入札のデメリット
1.導入・運用コストが高い
ヘッダー入札の採用に二の足を踏む一つの要因として、導入・運用の際にやや複雑な設定が必要となることがあげられます。
広告配信の仕組みの知識を持ったエンジニアなどが必要となる場合もあり、場合によっては導入までに数ヶ月かかる場合もあることも。

2.レイテンシーがさらに発生する場合がある
広告のオークションを複数回行うと、設計の仕方によってはウォーターフォールと同様にレイテンシーの問題が発生する可能性があります。
場合によっては、各社から出ているレイテンシー対策用のソリューションを比較・採用していく必要があるでしょう。

3.まとめ

ヘッダー入札は、今までプログラマティック広告で主流だったウォーターフォール型の配信方法の課題を、一斉に広告リクエストを行うことによる効率化やレイテンシー改善などリアルな数値的効果、また価格の透明化による信頼性向上の2面で解決に導いてきました。
デメリットの解決コストを差し引いても、ヘッダー入札の恩恵は上回っていくと考えられるヘッダー入札は日本国内においても各社導入が日々進んでおり、今後の成長にも注目が集められています。

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