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  • 2020.6.11

アプリ内広告収益化の課題に対する最新ソリューション ー『OpenWrap SDK』とは

OpenWrapSDKとは?

Liftoff カントリーマネージャー: 天野 耕太氏
PubMatic カントリーマネージャー: 廣瀬 道輝氏
聞き手: 高橋 裕梨奈(RTB SQUARE)

Liftoff Mobile株式会社の天野耕太氏と、パブマティック株式会社の廣瀬道輝氏による対談。前編では、アプリ内広告におけるプログラマティック広告の現状とアプリ内広告でのマネタイズの課題について取り上げた。後編となる本記事では、それらの課題を掘り下げ、プログラマティック広告を活用した新たなソリューションを紹介する。(前編はこちら)

ー前編では透明性の低さからブランド広告がアプリ内で実施されにくいという課題についてお伺いしました。この課題を解決するために、どのような取り組みをされていますか。

廣瀬氏:プログラマティック広告の活用により、配信面の品質や取引のフィーの透明性が向上すると前編で話しましたが、これはデマンドサイド/サプライサイドのどちらにも通じるメリットであり、アプリ内広告の課題に対しても有効なアプローチだと考えています。

その上でPubMaticでは、その透明性を維持するためにIAB(Interactive Advertising Bureau)が提供しているアプリ広告向けのツールなどを有効的に使うことでドメインスプーフィング※などの悪質なアドフラウドの排除に向けて努力を重ねています。

※偽った悪質な広告業者が、プレミアムパブリッシャーのドメインと偽って広告を配信する詐欺

app-ads.textの導入数

具体的には、不正行為や偽造された広告枠の買い付けを防ぐことにより透明性の高い広告取引を実現することができる取組みとして、アプリデベロッパー様が公式に販売許可をした事業社を宣言する『app-ads.txt』の採用を進めています(上図)。

『app-ads.txt』によって詐欺業者がアプリデベロッパー様を偽ることが難しくなり、デマンドサイドは安心して配信面の買い付けが行えるようになります。また配信面の品質が担保されることでアプリデベロッパー様としても広告単価の向上が望めます。

app-ads.textの認証数 PubMatic

PubMaticでは自社開催イベントである「PubAcademy」を始め、ホワイトペーパー等で『ads.txt』の普及を推し進めて参りました。

また『ads.txt』のないインベントリーへの買付をPubMaticは許可していません。この数年で『ads.txt』のWebでの普及は飛躍的に向上し、ドメインのなりすましなどが一掃されデマンドサイドから見たインベントリーのクオリティーはある程度担保された状態であると認識しています。

アプリ面でも同様に『app-ads.txt』の導入を推進しており、近年ではデマンドサイドが『app-ads.txt』に準拠しているアプリに優先的に予算を投じるケースも急増しており、このイニシアチブが標準化することは必然かと思います。(上図)。

ー前編ではヘッダー入札によるマネタイズの効率化についてもお話いただきましたが、詳しくお聞かせいただけますか。

ヘッダー入札への歴史

廣瀬氏:いわゆる「ウォーターフォール」と呼ばれる旧来の方式では、広告のインプレッションからDSPにリクエストを返すまで、図のようにSSPが数珠つなぎのようになっていました。この方式は、最適な価格を応札するSSPに当たるまで順番に入札を確かめていくという方法を取るため、とても非効率であり通信量の肥大化や広告が表示されるまでの遅延などの問題もありました(上図左)。

この問題を解決するのがヘッダー入札です。一つのインプレッションに対して複数のSSPが同時に呼び出され、オークションを行うことで、最適な広告を選定する状態となるため、ウォーターフォール方式と比べマネタイズも通信も効率化できます(上図中央)。アプリ内広告は、今このヘッダー入札の普及を行っているフェーズです。

ちなみに、Webの世界では次の変化として、アドサーバーから配信される広告とヘッダー入札で管理しているSSPたちの入札を同時に競わせるような新たな方式も登場しています(上図右)。

ーデマンドサイドから見た時に、ヘッダー入札はどのくらい浸透していると考えますか?

天野氏:DSPがアドネットワークと横並びに語られていた頃から比べると、今はDSPとSSPで分解されて語られるところまで理解が進んでいるという感覚です(ウォーターフォール方式まで)。

ただ、そこにヘッダー入札の話が出てくると、難しいと感じてしまう方はまだ多いと思います。普及をしていくためには、体制強化や理解促進を引き続き取り組んでいく必要があると感じています。

廣瀬氏:ヘッダー入札の理解の難しさが、シンプルでわかりやすいWalled Gardens※を結果的に好む原因になっているのでしょうか?

天野氏:そうですね。ヘッダー入札のメリットについて、パブリッシャー様は収益を最大化ができ、広告主様は安全で広告効果が高い枠に配信できるというシンプルな原点に沿ってご説明をさせて頂き、浸透をさせていくことが重要だと思っています。適切に理解をして頂くことが、Walled Gardens以外の選択肢も考えて頂くための一歩だと思います。

※Google,Facebook,Twitterに代表されるそのサービス内だけで広告配信が完結するクローズドプラットフォームのこと。

ーヘッダー入札に関してPubMaticより『OpenWrap SDK』がリリースされました。どのようなソリューションなのでしょうか。

OpenWrapSDKの仕組み

廣瀬氏:弊社が提供する『OpenWrap SDK』は、アプリデベロッパー様が効果的なヘッダー入札を簡易に導入するために開発されたPrebidをベースとして開発されたSDKになります。当社のSDKはOpen Measurement SDK※に対応しているので、アプリデベロッパー様が計測したビューアビリティーをデマンドサイドへ送ることが可能です。これにより広告主側はビューアビリティを考慮した買付も可能になります。もちろんヘッダー入札を行う上で必要な連携など全てを当社がサポートせていただきます。

ここまでの議論の通り、アドネットワークは取引の不透明さといった問題、またプログラマティック広告であっても従来の非効率的なウォーターフォール方式では、複数のSDKを扱うことによる容量の肥大化や通信の遅延など様々な問題がありました。

『OpenWrap SDK』は、それらの問題を解決できるだけでなく、(やや技術的なお話になりますが)サーバーサイドでリクエストを処理することによって、他のヘッダー入札ソリューションよりも軽量で高速の処理が可能となっています。

アプリデベロッパー様へのもうひとつのメリットとして、このSDKを1つ入れて頂くことで、複数のデマンドパートナー(SSPやアドエクスチェンジ)のSDKを追加することなく、アプリデベロッパー様自身がクラウド上(UIをご提供)でそれらの追加削除ができます。すべてのデマンドサイドのリクエストを管理することが可能になるため、収益の最大化はもちろんですが、デマンドパートナー管理の簡略化も実現でき、開発サイドも運用サイドもコスト削減に繋がります。

※広告主が視認性測定ベンダー(MOAT、IAS、DoubleVerify など)を利用して、視認性を測定できるようにするための技術

OpenWrapSDKのイメージ

(参考:https://www.pubmatic.co.jp/news/pubmatic-releases-openwrap-sdk-to-enhance-header-bidding-options-for-mobile-publishers-jp/

ー最後に、アプリ内広告のあるべき姿についてお聞かせください。

天野氏:「透明性」が大きなテーマの1つだと思います。

透明性を高め、安全を保証していくことで、これまでアプリ広告にあまり予算を投じていなかったブランドの広告主様もチャレンジしやすくなると思います。ターゲティングの精度を上げるだけでは大きな予算は投下されないと思います。

つまり、透明性を高めていくことがアプリ内広告の今後のマネタイズに直結していきますので、関わる人たちが責任感を持ってこのテーマに向けて取り組んでいかなければならないと考えます。

Walled Gardensに偏りがちな広告予算を割り振って頂くためにも、Walled Gardens以外のプレイヤーが連携をし、透明性を高め、広告主様に信頼をして頂くことが重要だと思います。

廣瀬氏: サプライサイドの立場からも、透明性や効率的なマネタイズというプログラマティック広告のメリットについてどう認知・理解をして頂くかというところは非常にベーシックかつ重要なテーマだと思います。

そして、プログラマティック広告のメリットが認知され、ブランド広告主様をはじめとした様々なジャンルの広告主様がアプリ向けのプログラマティック広告にチャレンジをする際に、しっかりとそのデマンドを受け止められるように、『OpenWrap SDK』等のソリューションを通じ、アプリデベロッパー様のマネタイズに貢献していきたいです。


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