CyberZ、スマートフォン広告市場規模のレポートを発表 ー2015年は3,717億円ー
株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)の連結子会社である株式会社CyberZ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕)は、株式会社シード・プランニング(本社:東京都文京区、代表取締役社長:梅田佳夫)のデジタル領域の市場・サービス調査機関であるデジタルインファクトと共同で、スマートフォン広告市場動向調査を行いました。
本調査では、スマートフォン広告を「検索連動型広告」、「ディスプレイ広告」、「成果報酬型広告」の広告商品(※1)に分類し、年間スマートフォン広告出稿額を推計し(対象期間:2015年1月~2015年12月)、市場規模予測を算出しております(※2)。また、現在スマートフォン広告市場において、有望な成長領域とされている「リエンゲージメント広告」の市場規模予測も別途算出しております(※4)。調査結果は以下のとおりです。
■ 2015年のスマートフォン広告市場規模推計
2015年のスマートフォン広告市場規模は、3,717億円。前年比123.6%と順調に成長。
2015年は、スマートフォン端末の利用が世代を問わず幅広く進み、スマートフォンはユーザーの日常において欠かすことのできない情報端末として定着しました。
また、オンライン上でビジネスを行う幅広い業種の多くの企業にとって、スマートフォンは主なチャネルとして位置づけられるようになりました。
また、ゲームアプリなど急成長を遂げた一部のスマートフォンビジネスの領域は、安定成長期へと移行し、広告主のプロモーションにおけるスマートフォンの位置づけや、利用目的が変わりつつあります。このため広告主のスマートフォン広告への需要のあり方にも変化が見られ、新しいメディアや広告フォーマット、広告商品への注目が集まりました。このような状況のなか、スマートフォン広告市場は順調に成長し、2015年の市場規模は3,717億円、前年比123.6%となりました。
■ スマートフォン広告商品別動向
2015年のスマートフォン広告市場成長はソーシャルメディア向け広告や動画広告の需要拡大がけん引。ディスプレイ広告の市場規模は、2,225億円。前年比135.0%と、全体に占める構成比は約6割に。
2015年のスマートフォン広告商品別市場規模は、検索連動型広告市場が1,380億円(前年比115.0%)、ディスプレイ広告市場は2,225億円(前年比135.0%)、成果報酬型広告市場が112億円(前年比70.0%)となりました。
【 検索連動型広告 】
検索連動型広告は、スマートフォンユーザーの検索利用の定着による検索クエリ数の増加や、広告配信精度の改善などにより、1検索クエリあたりの広告収入が増加し、順調な成長が見られました。
【 ディスプレイ広告 】
ディスプレイ広告は、ソーシャルメディア向け広告商品が充実し、動画広告やインフィード広告など、スマートフォンの特性を活かした広告商品が新しい広告主層を開拓し、投資意欲を高めました。これにより、前年に引き続き高水準の成長率となりました。
一方で、スマートフォン広告を出稿する大手広告主のプロモーション目的の変化や、手法の高度化などにより、ディスプレイ広告商品の出稿先媒体や広告フォーマットに対する嗜好の変化が見られました。
動画広告は、スマートフォンにおけるユーザーの動画視聴が定着し、スマートフォンならではの効果的な表現方法が可能な広告商品が数多く台頭し、ソーシャルメディアにおける動画を活用したプロモーションの活性化などにより、2015年は昨年対比272%成長(※3)と需要が大きく拡大しました。
【 成果報酬型広告 】
成果報酬型広告は広告主の事業フェーズ移行による需要動向の変化や、他の広告商品との競合性が高まり、前年に対して顕著な減少が見られました。
■ リエンゲージメントディスプレイ広告市場予測(※4)
ゲームアプリやEコマースサービス運営者の広告主を中心に、リエンゲージメントを目的とする出稿需要が顕在化し、2016年のリエンゲージメントディスプレイ広告出稿額は69億円、2017年には350億円に到達と予測。
ゲームアプリやEコマースサービス運営者などの広告主は、これまで新規ユーザーの獲得を目的にスマートフォン広告を活用してきましたが、新規ユーザーによる需要が一巡し、現在は既存ユーザーといかに関係性を深め、収益を高めていくかということへの関心が高まりつつあります。
また、スマートフォン広告技術の伸展により、新しいユーザー導線を確保し、広告主が求めるユーザーとのコミュニケーションが可能となる広告手法も登場し、大手事業者を中心にリエンゲージメントディスプレイ広告商品の提供が開始され、広告主への提案を進めています。
これらを背景に、リエンゲージメントディスプレイ広告需要は2016年に急速な市場形成が進み、69億円に達することが予想されます。
今後も、アプリプロモーション需要の継続的な拡大に合わせて、リエンゲージメント広告商品の拡充が進み、アプリプロモーション手法として定着、2020年の市場規模は350億円に達することが予想されます。
■2016年のスマートフォン広告市場
2016年のスマートフォン広告市場は4,542億円。前年比122.2 %と好調に推移。
2016年は、前年に続きスマートフォンならではのユーザーのコンテンツ消費形態に合わせた、親和性の高い広告商品の拡充が進み、広告主層の広がりとともに、スマートフォン広告出稿意欲の高まりがみられることが予想されます。
広告商品別では、検索連動型広告が1,559億円(前年比113.0%)、ディスプレイ広告市場は、2,893億円(前年比130.0%)、成果報酬型広告90億円(前年比80.4%)と予測します。検索連動型広告市場は、広告商品の改善が進み、ユーザーの1検索あたりの収益性の改善が続き、市場規模を底上げしながら、好調に推移することが予想されます。
ディスプレイ広告市場は、ソーシャルメディアを中心に、新しい魅力的な広告商品の登場が相次ぎ、引き続き高い成長率を維持することが予想されます。
成果報酬型広告は、単価の下落や出稿件数の減少により、漸減傾向が続くことが予想されます。
■ スマートフォン広告市場の今後
2016年以降、スマートフォン広告市場は好調を維持、2020年には2015年の約2倍、7,500億円規模に到達
スマートフォン広告市場は、今後成長率は徐々に緩やかになりながらも二桁成長を維持し、2020年には2015年の約2倍、7,527億円と予測します。
スマートフォン広告は、テレビ広告などマスメディア広告のリーチが比較的困難な若年層ユーザーへのリーチを得意とするという認識が定まり、従来のインターネット広告には見られない新しい広告手法や広告表現を用いた商品の登場などにより、主要メディアとしての一定の地位を築きました。
今後は、位置情報を活用し、オンラインとオフラインを横断したユーザーの消費行動に沿った広告商品の伸びが予想されています。新しい技術を取り入れながら、引き続き新しい広告主層への普及が進み、更なる市場の活性化が期待されます。
当社は今後も、スマートフォン広告市場の発展に寄与すべく、企業のスマートフォンプロモーションの問題解決や効果向上に努めてまいります。
※1 本調査におけるスマートフォン広告の定義および、商品区分の定義は下記の通りです。
・スマートフォン広告:ユーザーがスマートフォン端末上で視聴するWebサイトやアプリに対して配信されている、画面サイズに最適化されて表示される広告を示します。また、原則として広告の遷移先となる広告主サイトもスマートフォン画面サイズに最適化されているものを対象とします。
・検索連動型広告:ユーザーの検索キーワードに連動し、検索サイトにおける検索結果ページに表示される広告を対象とします。なお、2013年3月発表時には、「リスティング広告」という名称にしており、その内訳に「コンテンツ連動型広告」も含んでおりましたが、2014年2月の発表データより「コンテンツ連動型広告」は「ディスプレイ広告」へ区分いたしました。
・ディスプレイ広告:主にバナー型の広告枠内に動画や図などがビジュアル表示される広告や、媒体(アプリを含む)に広告主が協賛することによりコンテンツの一部として情報発信をする、スポンサータイアップ広告を対象としています。なお、ディスプレイ広告は、媒体社が広告商品として企画・販売する、単一媒体の広告枠上に表示される「純広告」と、アドネットワークやDSPと呼ばれる媒体社以外の広告会社が複数の媒体に一括配信する「アドネットワーク・DSP広告」に分類し、市場規模を推計しています。
・成果報酬型広告:主にアプリ開発者による自社アプリのプロモーション手法として提供されている、インストール課金型の広告商品を対象としています。プロモーション対象のアプリをユーザーがインストールすることに対し、ポイントなど何らかのインセンティブを付与する仕組みにより提供されます。主にWebブラウザサイト運営者によって、ユーザー獲得のために提供されているCPA課金型の広告商品ならびに、携帯電話販売店などの店舗でユーザーの携帯電話端末にアプリをインストールするプロモーション手法として提供されているリアルアフィリエイトは対象に含みません。また、2014年2月の発表データよりユーザーに対しインセンティブが付与されるインストール課金型広告の他、インセンティブを伴わないインストール課金型広告を対象として追加しています。
※2 本調査は、スマートフォン広告業界関連事業者へのヒアリング調査ならびに公開情報、調査主体およびシード・プランニングが保有するデータ等を参考に実施しています。
※3サイバーエージェント調べによる2015年10月発表データ。
※4本調査におけるリエンゲージメント広告の定義を以下の通りとします。
該当のアプリをインストールしているユーザーの利用活性化を図ることを目的に、アプリ広告主が持つユーザーデータを活用し、ターゲティング配信を行う広告商品。
■ 調査概要
調査主体:株式会社CyberZ
調査時期:2016年2月から2016年3月
調査方法:スマートフォン広告市場関係者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、公開情報の収集
調査対象:スマートフォン広告市場ならびに関連市場
調査機関:デジタルインファクト(株式会社シード・プランニング)
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