政府によるターゲティング広告などのネット広告規制の方針が明らかに
政府が主導するデジタル市場競争会議は16日、GAFAを代表とする巨大IT企業による寡占化が進むデジタル広告市場に対する規制案の中間報告を発表しました。
不透明の改善や共通の指標化を
プラットフォーマーたちの巨大な影響力などを理由に広告価格の決定過程や収益配分が不透明だと指摘し、広告主やメディア側だけでなく、ネット利用者の不満の声を受けた規制も検討していく方針を明らかにしました。テレビの視聴率のように第三者が測定する仕組みも必要だと主張もありました。
消費者庁によるアンケートではターゲティング広告について7割が煩わしいと答えた。8割が「事前設定で変えられる場合は外したい」と回答されており、多くのネットユーザーが現在のターゲティング広告に不満を持っていることも明らかになっています。
政府は今年冬にルールの具体策を盛り込んだ最終報告を公表するとしており、ネット広告業界は内容次第で大きな対応が求められる可能性も高いです。
新聞各社も大きく報じる
今回の政府の方針発表については、ネット広告についてあまり大きく報じない国内の新聞社も多く報じており、今後のネット広告業界への影響の大きさがわかります。
デジタル広告取引「不透明」 政府、ルール設計検討:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60390910W0A610C2MM0000/
グーグルなど「価格透明に」 ネット広告規制に動く政府:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASN6J43TBN6HULFA03G.html
政府がネット広告規制案 ターゲティング広告「消費者に決定権を」 巨大IT念頭:毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20200616/k00/00m/020/034000c
公正性や透明性不可欠 政府競争会議、「ネット広告」中間報告:産経新聞
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200616/mca2006161045006-n1.htm
政府、ネット広告の適正化に本腰 巨大IT規制で中間報告:東京新聞
https://www.tokyo-np.co.jp/article/35821
従来型のターゲティング広告の見直しは不可避
ブラウザによるサードパーティクッキーの規制は強まっており、2022年にはクロムもデフォルトで禁止することが決まっています。また法規制もGDPR以降、各国・各地域で規制強化が進んでおり、日本も例外ではなくなってきています。
従来型のページに訪問しただけで、同じ広告に追いかけられてしまうようなターゲティング手法には限界が来ています。ネットユーザーが不快に思わない形で、ユーザーのデータを同意やインセンティブを与える形で取得し、正しいコミュニケーションとしての広告手法が普及していくことが望まれています。